ちょうど1年ほど前に、建物工事を終えた本堂の建築。
建物が完成しても、お寺の本堂ですから、それ以降、内陣の壮厳や佛具の準備などにも時間がかかり、落慶式を終えたのは本年1月の下旬。
お彼岸の忙しい時期を過ごし、外構の植え込みなども完了して、ようやく撮影を行ってまいりました。
ということで、建築事例でご紹介する前に、2年前から始まった工事の完成までの道のりを振り返ってご紹介しましょう。
まずは、計画の概要から。
完成模型
完成模型を見ると、シャッターのある地下車庫の右側に、擁壁があります。
その高さ、MAX5m。
この高低差を利用して、地下室地下車庫のあるお寺の本堂を造る計画です。
着工前の現地はこの通り。
着工前
急な傾斜地であることがわかります。
ほぼ同じアングルから撮った、完成後の現地がこちら。
完成
コンクリート造の頑強な建物に、深い軒、それを支える垂木、跳ね上がった四隅の屋根の先が見事な造形の本堂が出来上がりました。
それでは、これまでの道のりを振り返っておきましょう。
山留完了から捨てコン打設
建柱車を使って、長さ9mのH鋼を打ち込み、山留を造りました。
今回も上空を横切る電線を避けながら、安全に配慮して工事を行う必要に迫られました。
地下1階配筋中
基礎の配筋を行い、コンクリートを打設、養生期間を経て、地下の配筋を行い、コンクリートを打設する作業を繰り返し、躯体を作り上げていきます。
同時進行で建物の装飾部分にも着手していただいておりました。
かえるまた
担当していただいたのは、伊勢原で社寺建築を専門に扱う宮大工集団、内田工務店さん。
頭貫(かしらぬき)
作業場でこのような装飾を次々とつくり上げていただきました。
コンクリート打設工事完了
そうこうしているうちに、鉄筋コンクリートで造る1階壁までの工事を終了。
これより、内装と屋根工事にかかります。
骨組み設置
先にご紹介した、四隅の跳ね上がった屋根の先の骨組みがこちら。
重力に逆らって、屋根の先を上空に向けるため、てこの原理を利用しています。
こちらも完成画像でちらりと見えていたきつね格子。
作業場で造ったものを、5人がかりで設置していただきました。
クリックまたはタップでその模様をご覧いただけます。
向拝柱
こちらは、1階正面から見た時に屋根を支えている2本の柱の片側です。
25㎝角の太い柱は、実物を見ると迫力のある太さです。
十字のように見えますが、横に太い物体は、傷をつけないように養生を巻いている足場です。
こちらは、その向拝柱の上に据える肘木(ひじき)。
その下に見えるのが、先に作業場でご紹介した頭貫です。
肘木を重ねている模様も、上の画像をクリックかタップしていただけると動画でご覧いただけます。
上棟式
屋根の棟が載り、上棟式を行いました。
屋根に上る職人さんの頭の上に見える破魔矢。
鶴が空から地へ、亀が地から空へ矢を放つ、魔よけの目的で飾られるものでした。
銅板設置中
その後、銅の屋根を葺きました。
この写真だとまさに銅の輝きを見せていますが、1年経過し、
完成
とても重みの感じられる屋根に変色をしていました。
ちなみに、扉中央の屋根の下に見えるのが、先にご紹介した「かえるまた」です。
建物完成当時の内部
これが、1年前。
佛具が入る前の様子です。
その後の内陣の装飾も、ちらりとご紹介しておきましょう。
須弥殿
この写真で注目していただきたいのは、その前の1年前の写真では、木目が見えていた、奥の左下、引き戸が見える部分。
塗り
職人さんが、この木目に、何度も何度も漆を塗り重ねること、10数回。
鏡面のよう
ここまで滑らかになるまで塗り重ねます。
撮影に時には、
上から写した画像
壁面の金箔の上に描かれた桜の花が見事に映りこむほどでした。
漆塗りでここまで滑らかになるのですが、乾く前に触れると、漆かぶれにやられ、痛い目に遭います。
漆塗り職人さんは、次第に抵抗力がついて、重ね塗りの仕事にも耐えらるようになるんだそうです。
本堂の全貌は、近く、建築実例にて、ご紹介させていただきます。
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