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RC造

RC造とは、圧縮する力に強いコンクリートと、引っ張る力に強い鉄筋を一体化させた工法です。柱をつくらず壁で建物を支えるため室内をすっきりさせることが可能な壁構造と、耐力壁が不要なので、大空間をつくることができるラーメン構造があります。RC造の主な魅力は、

  1. 耐久性に優れている

  2. デザイン的な自由度が高い

  3. 屋上の有効活用がしやすい

  4. 地下室やビルトインガレージを作るのに最適な工法である

といった点ですが、ここではRC造の性能、RC造が活きるプラン、コンクリート住宅を検討されている方へのアドバイスについてもう少し詳しくご紹介したいと思います。

性能

RC造の耐震性

RC造(鉄筋コンクリート造)は、圧縮に強いコンクリートと、引っ張りに強い鉄筋の性質の両方を兼ね備えています。それぞれの力が発揮された結果、 非常に高い強度を持っています。また、工場で鉄筋コンクリートパネルを加工し、現場でパネルを接合する方法もありますが、この場合、接合部に加重がかかり やすいのが難点です。奥建設では、現場で型枠と鉄筋を組み、コンクリートを流し込む「現場打工法」を採用しています。接合金具に頼らない現場打工法は、建物と構造が一体化しているため、優れた耐震性が特徴です。

RC造の耐久性

建物の減価償却費を決めるため、便宜上法律で住宅の耐用年数を定めていることをご存知ですか?構造材の種類によって定めているもので、これを「法定耐用年数」と言います。そして、RC住宅の法定耐用年数は47年。一方、木造モルタル住宅の場合は20年とされています。これだけでも、RC造が長く暮らせる家であることが納得いただけると思います。もちろん、47年という数字は最低年数なので、実際は100年持つ家も少なくありません。木造住宅と異なり、シロアリ被害の心配もありません。

RC造の耐火性

地震による被害は建物の倒壊だけでなく、火災によるものもあります。建築基準法では建築物の材料がもつ防火性能について定められていますが、この中で最も高い防火性能をもつ材料のことを「不燃材料」としています。不燃材料とは、通常の火災に対して「ほとんど燃えない」「火災のため防火上有害な損傷、有害な煙、ガスを発生しない」という一定の防火性能を認められた材料のことです。RC造の場合、レンガや瓦と同様に、コンクリート自体がこの「不燃材料」として認められています。そのため、「耐火構造」も容易に対応が可能です。地域によっては耐火構造、準耐火構造、防火構造にしなければいけないところもありますが、このような場合も高い耐火性を備えたRC造なら安心です。

RC造の遮音性

コンクリートは気密性が非常に高いので、防音性の高い地下室をつくることができます。AVルームとして、また楽器の演奏を楽しむのに、もってこいのスペースになります(実際、エレキギターを思いきり演奏したいから地下室を、というお客様がいらっしゃいました)。木造と比べて、防音のための施工費をかなり抑えることができます。この点でもRC造の地下室は、お勧めです。

RC造が活きるプラン

ガレージハウス

車を大切にしている方が家を建てる時には、ガレージハウスを建てることが多いようです。車を見て暮らしたいとか、簡単なメンテナンス程度から思いっきり車いじりを楽しみたいなど、人それぞれです。当然、どんな車に乗りたいか、どんなことをしたいかによって、プランは大きく変わります。例えば、床面に這わすと邪魔な配線を天井に這わすようにしたり、エアーコンプレッサーやその他大がかりな工具を置くスペースを確保したり、あるいは油圧式ジャッキを導入することも。RC造のガレージハウスなら、遮音性が高いので、多少の騒音が出ても大丈夫です。床面のコンクリートは、車の出入りで摩耗してしまったり、雨の日にそのままガレージに入ると雨水で塗れてしまいます。防じん塗料を塗布することでコンクリートを保守することができるのでお奨めしています。

ガレージハウスの事例

屋上の利用

RC住宅の屋根は、原則すべてフラットです。実は他の工法では、雨漏りの心配があってフラット屋根の方が珍しかったりします。RC住宅は、建物の構造が全て一体化しているので、雨漏りの心配がなく屋上を有効活用しやすいのです。太陽光発電パネルも、フラット屋根であれば最も発電効率の良い向きにたやすく設置可能です。勾配屋根ではこうはいきません。もちろん屋上利用で一番多いのは、庭園としての利用でしょう。⇒の写真の住宅の屋上に、少し太陽光のパネルが覗いているでしょう。このように、屋上の壁を少し高くしてあげることで、立った姿勢になれば周囲を確認でき、座ってしまえば周囲の視線を全く気にすることなく寛げる空間になるのです。"夏場の風呂上がりの夕涼みに最高の空間"とお客さまからの評判も上々です。

屋上の事例

ルーバー

ルーバーとは、羽板という細長い板を隙間をあけて平行に組んだもので、主に光や人の目線などを、遮断したり透過したりすることができるものです。RC住宅の場合は、この羽板をコンクリートで創ることができます。このルーバー、外観の意匠性以外の機能はあまりないように見られがちなのですが、実際には多くの役割があるのです。陽の光を遮ったり、風や雨を和らげたりする機能に加え、室内からの眺望を、角度によってさまざまに調節することができるのです。例えばリビングは、ルーバー越しに外が少し見えたほうが開放感があっていいものですが、お風呂やトイレは、ルーバーによって完全に外の視界をカットしたほうがいいケースが多いのです。また、この隙間に緑等をあしらうことによって、潤いのある景色になり、室内に注がれる陰影が、季節と時間の流れと共に少しづつ動きながら写り込むさまが建物の奥行きや一体感を感じさせるのです。
その他、アール、打ちっぱなし等々もRC造ならではの魅力といえるでしょう。もっともRC造の特長を活かせる地下車庫や地下室に関しては、こちらをご覧ください。

ルーバーの事例

アドバイス

混構造のメリット

コンクリート住宅に限らず、家づくりは実際に始めてみると、費用が膨れ上がるものです。せっかく建てるのですから、できるだけ思い通りの住宅を建てたいですものね。でも、多かれ少なかれどなたも住宅にかけられる予算は決まっています。細かく節約しても、なかなか収まらないケースも多いのです。

そんな時に一つの解決策としてご提案しているのは、地階や地下車庫などの下層部分をRC造、1階や2階等の上層部分を木造、あるいは鉄骨で建てる混構造です。コンクリートに比べ、遮音性や耐震性等の住宅性能はやや落ちますが、世の中の多くの住宅が木造であることを考えると、十分な住宅性能を備えているともいえます。重要なところだけRC造で施工してそのメリットを享受し、代替可能なところは木造にして、予算を節約しその分こだわりたい部分に思い切って投資するという選択をされる方も多くいらっしゃいます。また、内装の仕上げ方を天然の木の雰囲気で仕上げたいという方が増えていますが、混構造であれば梁や天井をそのまま『あらわし』とすることで、その部分の仕上げが不要となりますので、その分でもコストをかけない施工が可能です。

混構造の事例

さらに断熱性能を高めるなら外断熱工法

RC造は、それだけで十分に住宅性能の高い工法ですが、最近はより高性能、高耐久の建物を求めて、外断熱コンクリート住宅を選ぶ方も少しずつ増えてきています。外断熱工法は、外側から断熱材で構造躯体を覆うので、コンクリート構造自体を、外気とシャットアウトさせることになります。これにより、外気の影響を最小限にとどめることが可能な上、コンクリート自体の耐久性も高まります。
内断熱コンクリートは、コンクリート構造の内側に断熱材を装着するため、外壁のコンクリート部分は、風雨にさらされることになります。また、階層を分ける床(天井)部分と内壁との接合部分には断熱材を設置することができないため、外断熱に比べるとどうしても断熱性は落ちてしまいます。
一方で、外断熱は内断熱に比べると、まだまだ費用がかかります。冒頭お話ししたように、外断熱でなくてもコンクリート住宅はそれだけで十分に高い住宅性能を発揮しますので、その効果と費用の違いを吟味してじっくり検討されることをおすすめしています。

外断熱RC住宅の事例

コンクリート打設工事が肝

コンクリート工事の仕上がりは、『誰がやっても同じ』というようなものではありません。例えば、現場が散乱していてゴミが入ってしまったとしたら、それはそのまま固まってしまいますし、空気が抜けていなければコンクリートの中にそのまま気泡が残ってしまいます。コンクリート自体の品質や、機材などももちろん影響しますし、何よりも熟練した職人さんの技術と経験によるところが大きいのです。整理整頓がしっかりされているきれいな現場で、品質の高い生コンクリートを用意し、その時の気候なども考慮した上で打設工事が始まります。木造住宅の基礎とは違い、コンクリート住宅は数メートルの高さまで生コンクリートを均一に型枠に流し込んでいかなければなりません。 例えば窓枠の下部分などは、丁寧にじっくり取り組まなければ、きれいに仕上がりません。短時間でやろうとすれば、十分なコンクリートが行きわたりませんし、急いで多くの量を流し込めば、吹き出してしまいます。水分量の多いコンクリートの方が当然行きわたりやすいのですが、余剰水が多いと強度が落ち、ひび割れの原因になる上、仕上がりも良くないため使えません。適切な生コンクリートをじっくり丁寧に流し込むしかないのです。

流し込んだコンクリートをむらなくしっかり型枠に収めるために、コンクリートに振動を与え、型枠を叩き、その音を聞き分けることで、仕上がり状態を確認していきます。コンクリートは一気に流し込めるわけではなく、ある程度の量を打ちこみ整えた後に、適切な時間間隔で次のコンクリートを打設していきます。間隔が空きすぎると、コールドジョイントといって、うまく一体化せず、不連続な形になってしまうこともあります。

このような過程を経て、打設が完了すると、強度が確保される状態になるまで待って、型枠を外していきます。工事期間を短くしようとすれば、(一般的に短くなるとコストを下げられます)法令で定められた強度まで到達した時点で即、型枠を外すことになります。しかし、より強く美しく仕上げようとするならば、急いで型枠を外すのはお勧めできません。適度に型枠の中で乾燥させていくことで、より強く仕上がりも美しくなるのです。あまりに長い時間置いてしまっても型枠が外れ難くなってしまい、逆効果になることもあるのです。

いかがでしょう、コンクリート打設工事というのは、これほどまでにデリケートで、現場監督の配慮と職人さんの熟練した技術と経験が仕上がりを左右するものなのです。人生で最も高額な買い物となる住宅の建築に失敗は許されません。工費を下げようとすれば、どこかの工程でコストを削るしかありません。皆様には、ぜひ候補と考えている会社の施工現場をご覧になって、施工会社を決められることをお勧めします。

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株式会社奥建設
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