前回、9月の終わりにアップしたブログで、「コンクリート打ちっぱなしとはいうものの、型枠を外したそのままの状態で、見た目美しく仕上るはずもない」というお話をしました。
型枠を外した後、コンクリートの表面が美しく見えるようにお化粧をするんです、と。
そのお話をお伝えしやすい出来事がありました。
1996年に竣工した、RC造で建てた地下室地下車庫のある家です。
こちらが竣工当時のお写真。
まだデジタルよりフィルムカメラが優勢の時代。
ちょっと赤みがかったセピアな印象です。
あれから29年経過した様子がこちら。
コンクリートの表面に黒い汚れが散見されます。
長い年月をかけて雨風にさらされ、積み重なった汚れなので、それほど違和感はありません。
でもアールの壁面や屋上のルーバーなど、意匠性に富んだ建物ですから、このままではもったいない。
30年目を迎えるこのタイミングで、お化粧をし直しましょうということになりました。
同じアングルの写真がこちら。
いかがでしょう?
時代の流れとともに、塗料もカメラも進化していることもあり、コンクリートの表面の美しさは、新築当時よりもしっかり出ているようにさえ感じます。
南側はこんな感じ。
空の青さもあって、コンクリートの美しさが際立ちます。
これで丸29年。
インフィルは時の経過とともに随時、修繕する必要がありますが、スケルトンは人的に破壊することなく、メンテナンスを続ければ、いつまでもこの美しさをキープできるのではないかな、と感じます。
この住み継がれる耐久性が、RC住宅の大きな魅力の一つです。
さて、横浜市青葉区で進めている地下室地下車庫のある二世帯住宅。
1か月半ほど前に上棟までをご紹介しておりました。
その後の模様をご紹介しておきましょう。
構造用合板を設置して、断熱工事を行いました。
ダクトが2つあるところからご想像いただけると思いますが、ここは浴室と洗面室です。
天井への吹き付けも終了。
正面の壁は、柱からはみ出した断熱材をこそげ落とし、平滑に仕上げています。
壁を気密シートで覆い、この後、石膏ボードで内壁を設置するのですが、その手前に材木の山。
もう、木工事は終わったのでは?と思いそうですよね。
この木材何に使うかというと、
こちらの屋根裏。
このままでは天井を据え付けることができません。
山と積まれた木材を使い、
天井を仕上げるための骨組みを造りました。
断熱材を吹き付ける前には工事ができないので、このような段取りになります。
この写真の窓の上の骨組み、奥から手前側に向かって、レールが見えます。
寄ってみましょう。
よく見ると、奥のレールの方が光がよく当たって明るく、手前の方が暗くなっているのがわかります。
これは、その凹みの深さが違うため。奥が浅く、手前が深いのです。
奥は、何かとおいうと、ライティングレールを仕込むための溝です。
あくまでも借り物の参考写真ですが、ライティングレールとは、ご存知の通り、レール上の好きな位置に複数の照明を設置できる機材です。
では、手前側はどうなるかというと、こちらが収まります。
大光電機のベースライト。カタログから取りました。
これをこのまま天井にとりつけると、凸ができて無粋です。
しっかり溝をつくって、天井内部に収めてあげるとスッキリします。
参考写真はこちら。
大光電機のカタログに載っている施工例です。
動線に沿ったスリムな照明、オシャレですね。
今回のお住まいでも、
この長い廊下に仕込みます。
この照明は、間接照明としても使え、重宝します。
さて、外壁の工事も進んでいます。
木造部分の壁を覆うのは、耐久性、遮音性、防火・防災性に優れたヘーベルパワーボード=ALCコンクリートです。
今回は、外壁の一部にガルバリウム鋼板を使い、ツートーンで仕上げます。
ヘーベル板の色味は、
ガルバリウムの黒とトーンが近い、ダークグレー。
無理やり隣り合わせてみるとこんな感じ。
縦ラインのガルバリウム鋼板と横ラインのヘーベルパワーボード。
色味とデザインと質感、それぞれの違いがはっきり出てコントラストが強調されます。
試しに、同じ縦ラインで並べてみるとこんな感じ。
パッと見、色味以外の違いがはっきりせず、ぼやけた感じに見えてしまうような気がします。
まだ足場が取れていないので、引いた写真が撮れませんでした。
次回、ご紹介する際には、全体像をお見せすることができるかと思います。
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