今週の日曜日の日経朝刊に、目を引く記事が掲載されていました。
各国との金利差が開き、円安が進行、「いよいよ日銀もマイナス金利の解除に動くのではないか?住宅ローン金利は変動か?固定か?」
日本で住宅ローンを借りている人の7割は変動型金利を選んでいます。
現在、固定金利は上昇基調となる一方で、変動金利はゼロに近い金利で銀行間の競争が激しくなっています。
その、半年に一度見直される変動型金利が上昇基調に変わると、多くの方の負担が増え大変なことになるのではないか?
そこで、外国の事例が紹介されていました。
多くの国は固定金利で借りている人が多いのですが、スウェーデンは日本と同じように変動金利を選ぶ人が7割いるそうです。
そのスウェーデン、2019年にマイナス金利を解除し、インフレを抑えるために、8会合連続で政策金利を上げ、現在4%。
住宅ローン利用者の7割を占める変動金利型を選んだ方の一部は、支払負担の増加に耐えられず家を手放すことに。
となると、売り物件が増えます。
一方で、金利が上がったため、需要は減るので、価格は下がります。
スウェーデンの不動産価格は、昨年前半から1割以上も下げているそうです。
米国などは、固定型を選ぶ人が9割を占めるので、多くの方が金利が上がっても支払額は変わりません。
金利が上がり需要が減っても、手放す人が少ないので、大きな影響を受けていないようです。
昨今、日本の不動産価格の上昇が報道されているのを見ると、30年前のバブル崩壊の再来か、と思われる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、
「金利が上昇傾向になったとしても、急ピッチでなければ、固定より変動の方がトクと考えて変動を選んでいる人が多いが、スウェーデンの経験から言えることは、金利が上がり始めると住宅価格が落ち込むのも早い。借り過ぎの人は売っても完済できない事態が想定される。日本の住宅市場も脆弱性を抱えている。」と警鐘を鳴らしていました。
50代以降の方は、バブル前後で自宅の価値が半値以下になった、という経験をされた方も少なくないと思います。
不動産は金融商品と同じように売買されるので、上がるのも早いですが下がり始めたら、買い手が見つかるまで下がり続けます。
となると、今急上昇している都内の中古マンションなどは、「果たして今買うべきなのだろうか?」と迷ってしまってもおかしくないと思います。
一方で、建築工事費はどうでしょうか?
気になったので調べてみました。
国土交通省が発表している統計資料に、建築工事の床面積と、工事予定総額を発表しているデータがありましたので、単純に工事予定総額を床面積で割って、無理やり単価を出してみました。
青い棒グラフが床面積、オレンジが金額、折れ線が単価です。
昭和40年から遡ってみましたが、下降局面は2回、バブル崩壊とリーマンショックです。
平成3年まで右肩上がりで上昇を続け、それから13年後の平成16年まで下がり続けています。
下落率は20%。
その後上昇に転じ、平成21年(2009)リーマンショックの翌年を天井に下落、3年後の平成24年に底を打ちました。
この間の下落率は5%ほどです。
やはり建築工事は不動産と違い、資材を購入し、重機や人の手を使って建てる実業なので、多少は景気の影響を受けるものの、不動産ほど大きくはありません。
基本的に物価の上昇に連動し、長期的には上昇を続けています。
バブル崩壊の頃は、「あんなに高い時に(不動産を)買うんじゃなかった!」という声をたくさん耳にしましたが、家を建てていただいたお客様から「あんな高い時に建てるんじゃなかった」というお話を聞いた覚えはありません。
やはり、家を建てる場合は、景況に左右されるのではなく、そのご家族にとって準備が整った、必要な時に建てられるのが一番だなとあらためて思いました。
但し、変動金利の住宅ローンで、長期の計画を立てる際はある程度金利が上がっても耐えられる余裕がないと危険です。
借りられるからといって、目一杯借りるのはやめておいた方が良いでしょう。
冒頭の日経の記事にありしたが、米国の住宅ローンの30年固定金利は7%を超えるそうです。
日本のフラット35の金利は条件によりますが、まだ1%台から借りられますから、驚きます。
比較すると、日本の金利がいかに低いのかがよくわかりますね。
さて、今日の本題、ガラスブロックのお話に参りましょう。
ガラスブロックの建物といえば、銀座のエルメスを思い出す方も多いのではないかと思います。
お隣りのソニービルが解体された後、その側面の美しさに驚かれた方も多いと思います。(現在ではもうこの様子を見ることはできませんが)
ガラスブロックの魅力は主に4つ。
1つ目は、その意匠性。
エルメスのビルは特別ですが、百貨店やホテル、美術館など、人目を惹く建物の多くに採用されています。
2つ目は、光を採りこむ壁をつくれる。
3つ目は、それでいてプライバシーを守れる。
4つ目は、断熱性・遮音性に優れている。
ただ単に、プライバシーを守りつつ、光を採りこむのであれば、窓でも十分。
でも、分厚い2枚のガラスでできているガラスブロック内部は真空に近いので、一般的な窓よりも圧倒的に断熱性・遮音性が高くなります。
借景を楽しむのであれば窓が最適ですが、モザイクタイルのような繊細さが出るガラスブロックの方が、意匠性が高まり、上品な空間に仕上がると思います。
さらにこんな使い方も、
鏡面のような床に映りこんだガラスブロックが美しい。
こちら玄関です。
よく見ると、何か見えませんか?
そうです、十字架をあしらっています。
ひと口にガラスブロックといっても、模様や色味、光の通し方等様々で、デザインの仕方により、変化を持たせることが可能です。
こちらは玄関のドライエリアに採用したもの。
こちらは浴室から撮影したバスコート。
できるだけ開放感を出しつつ、プライバシーを守りたいバスコートに、ガラスブロックは最適です。
RCで創ったスリットにガラスブロックをはめ込みました。
無機質なコンクリートとガラスブロックは相性が良く、クールな印象を与えてくれます。
外と中の仕切りで使うことが多いガラスブロックですが、このような使い方も。
リビング内部にアールの形状で突き出たガラスブロックの一室。
玄関の脇に設けたシューズクロークです。
誰かが帰宅した時、玄関が開き、暗かったシューズクロークに明かりが灯ります。
あ、帰ってきた!と、なんとなく安心しているとリビングの扉が開いて、「ただいま!」。
見た目にも、機能的にも上手な使い方だと思います。
左手のガラスブロックは、もともと窓だった開口部にはめ込みました。
アイランドキッチンやクリスタルの照明器具と相まって、上質な空間に仕上がっていると思います。
先のシューズクロークのあるリビングと同じお住まいの写真ですが、ガラスブロックはそれぞれの用途に合わせて選んでいます。
シューズクローク側は、内部の光が波のように揺らいで見える「たまゆら」、窓側は「かすみ」という名の通り、外からの視線が透けにくく、プライバシーを守りつつ、光をやわらげるタイプです。
このように、設計段階で意図した仕掛けを、住んでから実際に体験して楽しめるのもガラスブロックの魅力だと思います。
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