前回1月の終わりに、2階床までのコンクリート打設を行い2.5階から3階の配筋工事を始めたところまで、ご紹介を終えていました。
引き続き、クレーン車による資材搬入から。
搬入
前回ご紹介したときには、まだ型枠が設置されていましたが、2階までの型枠が解体されています。
露わになっているのは、打ちっぱなしのコンクリートではなく、石膏ボードのように見える建材。
これが板状の断熱材です。
タイトルにある通り、建物全体を覆う、外断熱工法に用いられる断熱材です。
内側から見てみると、
3階配筋中
この通り。
左手側面を見ると、断熱材の外側に厚みのある角材が見えますが、この断熱材の外側を覆っている型枠です。
この後、断熱材の内側に配筋を行い、内側にも型枠を設置して配筋を挟みます。
ここは?
この写真は、建物の最下部にあたる0.5階の床面を映したところ。
この部分、何かわかりますか?
配筋、型枠設置
ご想像の通り、階段です。
通常、階段のコンクリート打設工事は、そのフロアを打設するときに同時に行うケースもありますが、今回の建物はスキップフロア。
建物全体が階段のように複雑で、丁寧な作業が求められます。
そんな中で、さらに細かい階段の打設工事を一緒に行うよりは、3階部分のコンクリート打設を行うときに一緒に打設したほうが施工もしやすく、効率も悪くならないと判断し、このタイミングで打設を行うこととしました。
3階型枠設置完了
こちらは3階のルーフバルコニー。
アールの腰壁部分も配筋が終わりました。
コンクリート打設スタート
中央の太いパイプから生コンクリートを放出し、右手の職人さんが持つ、細いパイプの先のバイブレーターで、空気を抜きながら隙間が生まれないように時間を掛けてじっくりと丁寧に打設を行っていきます。
完了
というわけで、コンクリートの打設工事を終了。
美しく仕上りました。
手前から奥に向けて勾配のある屋根形状です。
水分量が多くない生コンクリートを、壁厚の深部から埋めていく作業は、想像以上に骨が折れます。
型枠解体
養生期間を経て、型枠を撤去、壁面の断熱材が現われました。
屋根はコンクリート打ちっぱなしの状態。
この上に最後の断熱材を設置するわけですが、屋根の断熱材は、クラボウのクランボード。
屋上断熱材
クラボウとは、日本で産業革命が起き、最初の企業勃興期にあたる1888年に創業した倉敷紡績が前身。
繊維部門で事業基盤を築き、その後、1962年に化成品事業に参入し、最初に製造開発したのがウレタンフォームでした。
その用途は、マットレスや家具から始まり、その後、ビル用の断熱材などに用途が広がったといいます。
今回は、そのクラボウの硬質ウレタンボードを使った断熱材、クランボードを使います。
厚みは50ミリ。
1万円札100枚の札束が約1㎝ですので、ざっと500万円分。
結構な厚みがあります。
設置完了
コンクリート打ちっぱなしの屋上に断熱材の設置を終えました。
この後、防水工事を行って、屋根を葺きます。
プライマー塗布
防水シートで被う前に、設置したクランボードの隙間をテープで留め、防水シートをしっかりと密着させるためのプライマー(接着を目的とした下塗り材)を塗布します。
防水シート
今回は、東邦レオの防水シートを使います。
東邦レオは、外断熱や都市緑化、屋上リビングなどに強い、生活環境の向上に貢献することを目指している会社です。
ちなみに社名のレオには、LEO=Living(生活)、Environment(環境)、Organizer(貢献者)という意志が込められています。
この防水シートはタイヤのチューブなどにも使われるブチルゴムを原料としており、気密性、耐久性が非常に高い素材です。
貼り付け
ちょっと伝わりにくいと思いますが、1.2ミリの厚みがあります。
施工を完了しました。
サッシ設置
同時並行で、窓の取り付けを行っています。
コンクリートで形作られた長方形の空間に、サッシを正確に設置するために、レーザー水平器を使いながら行います。
完成
バッチリ設置が完了しました。
窓まわりは特に防水処理が重要です。
この写真では暗くてわかりにくいのですが、
塗布防水
床と壁面に黒い帯が見えます。
この部分は、コンクリートを打ち継いでいるので、このような塗料で塗布防水を行っています。
窓枠にも同じように防水処理を行い、雨仕舞をしています。
シーリング防水
こちらは、階段室。
壁面と床面は塗布防水で仕上げましたが、壁と壁の打ち継ぎ部分はシーリングで仕上げます。
平面の目地はシーリングで覆った方が効果が高く、入隅(いりずみ)にあたる打ち継ぎは、シーリングよりも塗料で行う防水の方が染み込みやすいので、塗布防水で行います。
建物の天敵は水。
適切な防水処理を選択するのもとても重要な仕事なのです。
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