今朝のニュースは、衝撃的でした。
風におされ横転し、今にも橋から落ちそうになるトラック、その後ろを玉のように転がる軽自動車、連なる自転車を巻き込んで舞い上がる自転車置き場、屋根が飛ばされた工場から撒き散らされる材…。
台風による、ここまで甚大な被害は、日本ではあまり見られなかったと思います。
これまで西日本に被害が集中していますが、それはたまたまそうだったと考える方が自然です。
起きてしまってからでは遅いので、従来よりもう一段、危機意識のレベルを上げた方が良いかもしれません。
この教訓を胸に刻みつつ、今日やるべきことにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
さて、本日は、傾斜地に建築中の『混構造で建てる 地下2階地上2階建て保育園』@川崎市高津区の続報をお伝えします。
まずは、前回のおさらいから。
今回の建物は、地上1-2階を木造、地下1-2階がRC造となります。
地上1-2階木造部分は、それほど重量がないので、地盤改良は必要ありません。
また、地下2階部分も固い地盤の上に建つことになるのでこちらも改良は不要です。
しかし、地下1階部分の床は、固い地盤に達していないので地盤改良が必要になります。
また、地下1-2階は、地下となるので当たり前ですが、お隣の地盤が崩れないように山留を行います。
図解するとこうなります。
赤囲み部分が、本日ご紹介する、柱状改良と山留ですね。
青が木造、グレーがRC造、明るい茶が軟弱地盤、濃茶が固い地盤を表しています。
さっそくまいりましょう。
まずはセメントミルクづくりから。
柱状改良とは、地盤にドリルのようなもので穴をあけて、それを引き上げるときにセメントを吐き出しながら、土と混ぜて土中に固い柱を造ります。
この柱が建物を支えてくれるんですね。
上の写真は、オレンジ色の大きなプールに水が入っていて、それを奥の機械に送り、セメントと混ぜてセメントミルクを作っています。
こちらが、セメントミルクを注入する車です。
不整地走破能力の高いキャタピラですね。
突き刺しているところから傾斜が始まっているのがお分かりいただけるでしょうか。
最終的には、根切りをして地下1階部分まで削ります。
この位置から地下2階の固い地盤=支持層まで穴をあけて、セメントミルクを注入し、かき混ぜながら抜きます。
山留工事を行うためのH鋼を入れる穴を掘削する工事が始まりました。
ドドーンと太くて長いH鋼、8メートルあります。
これを複数入れて、木=矢板を渡して、お隣の土が崩れないようにします。
H鋼が投入されました。
様子をうかがいながら、地下1階、地下2階同時に進めていきます。
左手に石段が組まれているのが見えます。
間知石といいます。
またレッカーの正面にヘルメットをかぶった人が立っているのが見えますか?
その方が立っている下部分、何やら人工的なもののように見えますでしょ?
はい、これはこの土地に立っていた建物の一部です。
この建物がお隣の建物と支えあっているので、解体していないのです。
先に山留を行い、お隣の土を支えることができた後に、解体します。
気が遠くなるような作業ですが、穴をあけH鋼を入れて、少しづつ根切り=土を掘りながら、矢板を渡していきます。
こちらは地下2階部分の山留工事です。
H鋼を投入するための穴をあけています。
手前が地下1階、奥が地下2階です。
かなりの高低差がありますね。
地下2階の山留を造るために、8メートルのH鋼を投入します。
『地下2階なのにそんな長いH鋼を使う必要があるの?』
と思われそうですが、このH鋼の断面の大きさや長さは、すべてこの状況に合わせて構造計算によって導き出されたものなのです。
8メートルのうち、下の4メートルほどを固い地盤をも突き抜けて地中に埋めることで、今回の建物を支える強固な山留ができますよ、ということなのです。
ひとつひとつ、しっかり、確実に。
工事は続きます。
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