先月上旬に、コンクリート打設工事を終えたところまでご紹介した、地下室地下車庫のある家@横浜市南区。
外壁の型枠を解体したところまでをご紹介しておりましたが、車庫内部を支えるサポートも適切な養生期間を経て、解体します。
ちなみに、コンクリートが固まるまでの硬化期間は、夏と冬で異なります。
ご想像のとおり、温度が高いと硬化が促進され、低いとゆっくり硬化します。
寒すぎてコンクリートが凍ってしまうようなことが起きると、想定している強度が出ないため、建築基準法でコンクリート工事打設後、5日間は2℃を下回ってはいけません、と規定されています。
「じゃあ、最低気温が氷点下にもなる北海道とかはどうすんの?」
と、思いますよね。
冬の北海道のコンクリート打設工事は、足場を組んでシートをかけ、内部をジェットヒーターで温めるなどして、工事を進めるそうです。
こちらが、サポートを外し、型枠を解体した直後の内部です。
型枠のつなぎ目ラインと、型枠と型枠を締め固める丸いピーコンの跡だけがしっかりと残り、そのほかは生(き)のコンクリートの表情そのまま。
空の青さが反射するほどに、美しく仕上がりました。
さて、こちらはお隣様との境界部分。
境界から6〜70㎝ほど後退した位置に擁壁を造っています。
その隙間をそのままの状態にしておくわけにはいきませんので、整えます。
建物側から見たところ。
この鉄筋にコンクリートブロックを積み上げて、境界部分の壁にします。
ブロックを固定するモルタルを接着剤に見立て、
ブロックを積んでいきます。
この最初の一段目がとても重要で、このブロックを水平に保てないと、ガタガタになってしまいます。
先ほどから写っていたピンクの糸=水糸を目印に、水平器=レベラーで慎重に仕上げます。
積んでいく作業は省略しましたが、一番上のラインが揃っていますね。
この内部には土を埋め戻します。
左手のコンクリートが土色に変わっているのは、防水処理をして、塗膜をつくっているためです。
空間を埋め戻して、工事完了です。
お隣様の道路下から見たところ。
整然と並びました。
さあ、いよいよ上棟に向けた準備が始まります。
基礎の立ち上がりの一番左側に見えているのが、今ご紹介したコンクリートブロックです。
この作業を終えずに上棟してしまうと、後が大変。
何事も段取りが重要です。
土台を載せて、断熱材を設置しています。
この後、構造用合板の床を設置していよいよ上棟へ。
上棟している最中の写真です。
中央下部、手前から右奥に伸びている木材を軒桁(のきげた)、その上に斜めに載って、棟方向に伸びているのが垂木です。
この垂木が屋根を支えます。
ご覧のように、軒桁の角をプレカットで削り、垂木との接合面を設けて固定しています。
従来は下図のように、蝶番(ちょうつがい)のようなひねり金物と呼ばれる材で繋いでいました。
ひねり金物による接合だと、1つの垂木を設置するのに、4本の釘を打つ必要がありますが、
タルキックなら、1本のビスで固定できます。
ご覧のように、先端部分がネジになっていて引き抜き強度を高めているので、ひねり金物と比較して同等以上の強度が確保されています。
これだけの垂木を一つ一つ固定していきます。
接合箇所は、軒桁だけでなく、一番上の棟木、中間地点の母屋(もや)と、1つの垂木につき3か所。
どれほど効率が高まるかはご想像いただけるかと思います。
無事に上棟致しました。
今回のお住まい、道路付けは西。
このお写真は冬の日中に撮影したもの。
バルコニーの腰壁、半分から左には陽があたっていないのに、右側には陽があたっています。
その右のお隣様のブロック塀には陽があたっていません。
模型で見ても、バルコニーの腰壁部分、右と左で微妙に色が違うのをお判りいただけるかと思います。
そう、途中からアールの曲面になっているのです。
光の当たり方に変化が出、ひろがりが生まれます。
これが、例えばフラットの壁だったとすると、
建物の間口が狭く感じられませんか?
もう一度戻しましょう。
腰壁の幅は同じ長さですが、曲面の上下のラインが奥行きを感じさせ、広く見えますよね。
完成が楽しみです。
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