一昨日、昨日と、2夜連続で「NHKスペシャル 関東大震災 帝都壊滅の三日間」が放映されました。
これまで家づくりの現場では、
「迫りくる大地震に対していかに耐震性を高めるか?」
という議論がなされ、地震があるたびに建築基準法を改正、耐震基準が高められてきました。
もちろん、それはそれで必要なことなのですが、関東大震災では、地震そのものよりも、その後の火災によって多くの悲劇がもたらされていることが報じられていました。
地震発生の11:58は昼食の支度で火が使われる時間帯であり、多くの火災が発生。
番組では、地震直後、遠くで煙が上がっているその火災を、他人事のようにのんきに眺めている人々の姿が映し出されていました。
その日は台風の影響で風速10mほど。
火の粉が飛び、近隣住戸の崩れた瓦の下に敷かれた杉皮に着火、風に煽られ燃え広がり、ある瞬間にフラッシュオーバーといわれる爆発的な火災を引き起こします。
数時間後、忍び寄る火災に囲まれて逃げ場を失った人々が隅田川に架かる橋に殺到し、多くの人命が失われたそうです。
地震への備えは耐震性ばかりではありません。
倒壊しなかったとしても、火災が発生した場合に備える必要があります。
ご自宅からは火災が発生しなかったとしても、近隣の出火に巻き込まれる可能性があります。
特に住宅密集地にお住まいの方は、ご自宅の耐震性だけでなく、火災にも備えるべきだと感じました。
前々回のブログ「あらためて思う、災害に強い家」で、戦争と台風の被害により、沖縄の住宅から木造建築が姿を消し、今ではコンクリート造が9割を超える、という新聞のコラムをご紹介しました。
今回の番組を見て、耐震性はもちろんですが、その後に発生する火災に備えるという意味でも、不燃材料の一つに挙げられるコンクリート住宅が有効なのだろう、と思いました。
関東大震災、最大の悲劇といわれる陸軍被服廠跡で発生した火災旋風。(この火災旋風では、避難した4万人中3万8千人が亡くなっています。関東大震災で亡くなった方が10万5千人といわれているので、被害の甚大さがうかがえます。)
当時発生した火災旋風を再現して検証するための、RC造らしき建物「建築研究所 火災風洞実験棟」が、映し出された際にそう感じました。
前置きが長くなりました。
地下車庫のある倉庫の建築、建築中の模様をご紹介していきましょう。
倉庫とはいえ、仕舞うものにより、室内で保管するのと同じような状態で保管したいものもあります。
なので、2つある倉庫のうち一つは二重床にしています。
もう一つは直床で仕上げて使い分けます。
壁や屋根にも真夏の暑さ、真冬の寒さを和らげるために、屋根にはスペーサーを設置して、断熱材を施工します。
吹付後の養生も含めて完了しました。
このあたりの工程は、ほぼ住宅と同じです。
このあと、外壁材を設置していくのですが、外壁と防水シートの間に設ける通気胴縁は、いつもと少々異なります。
今回の通気胴縁(シートの上に取り付けてある木材)は、よく見ると、等間隔に丸く削られているのがお分かりいただけると思います。
通常、当社が住宅で採用している通気胴縁は、こんな感じ。
この違いはお判りいただけますね。
縦に設置するか横に設置するかの違いです。
縦に設置する場合は、胴縁と胴縁の間に空気が流れるので、丸い切込みを入れる必要がありません。
では、なぜ縦と横の違いがあるかというと、住宅に使う外壁材は横長なのに対し、今回の倉庫の外壁材は
縦長なので、胴縁を横にする必要があるからです。
今回はガルバリウム鋼板の外壁材を採用しています。
屋根の仕上げもほぼ住宅用と同じように、ルーフィングを下から設置していき、
その上から屋根材を葺いて完成。
通気胴縁を通って流れてくる空気は、写真左端の銀色の部分の右手にある黒いカバーに吐き出し口があり、排出されます。
建物奥側からの全景、カタチになってまいりました。
建物の地下部分は完成していますが、手前は型枠が設置されています。
この部分は擁壁と外階段を施工中でした。
この階段があれば、倉庫と地下車庫をショートカットできます。
完成が近づいてまいりました。
建て替え前の倉庫の様子を覚えていらっしゃる方も少ないと思うので、振り返っておきましょう。
様変わりしましたね。
いつかしっかりとした建物に建て替えるなら、早い方がいいですよね。
早くやれば、安心安全な状態がより長く保てるわけですので。
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