準備を進めてきた新しいプロジェクトが動き出しました。
18床ほどを確保するグループホームの建築です。
解体を終えた現地はこちら。
南側、傾斜地の下から撮影した写真です。
この地に地下1階、地上2階建て、3層の建物を建築します。
横から見ると、
その高低差を実感していただけます。
とにかく眺めがいい。
これだけ眺めがいいということは、勾配が急で、高い擁壁が必要になる、ということ。
擁壁の高さは約6m。
その擁壁を支えるために必要なH鋼の長さは、最長14mにもなります。
今回の工事は、この急な勾配と、地下深くまで掘ってH鋼を据え山留工事を行う必要がある、という2つが、工事のハードルを上げます。
こちらが北向きの道路側。
写真中央奥に鉄塔が見えますね。
ちょうど現地の上を高圧線が通っています。
14mものH鋼をそのまま埋めようとすると、接触する危険があります。
それが大きな問題になります。
ともあれ、工事がスタートしました。
まずは山留工事を行えるように、根伐りを行いつつ、重機が安定した状態に止められるように整地していきます。
ある程度均した状態で、鉄板を敷き足元を固めた上で建駐車が乗り入れました。
キャタピラのついたユンボや重心の低い建柱車は、何とか急こう配の下に乗り入れることができましたが、一般の車は乗り入れることが困難なほどの傾斜です。
これ以上、傾斜がきついと重機の乗り入れも難しくなるので、安全が確保できるギリギリのところで、根伐りを止めています。
北側の道路から撮影した写真です。
先にご紹介した通り、この上を高圧線が通っています。
事前に東京電力さんと協議の上工事を進めるわけですが、高圧線との間に離隔距離を4m以上とるように依頼されています。
ということで、最大14mのH鋼を打ち込むために、MAX3本のオーガーをつなぎながら穴をあけていくことになります。
写真が前後しますが、こちらが埋め込むH鋼。
先端にたくさんの穴が開いています。
この穴が接合部分となり、
挿入しながら、ボルトで繋ぐのです。
穴をあける時も、一定の深さまで掘ったらオーガー(ドリルのような工具)をつないで掘り進め、抜く際もある程度まで抜いたら、取り外して、離隔距離を保ちます。
さらに、H鋼を挿入しながら、繋いでいくという手間のかかる作業を繰り返します。
というわけで、無事に山留用のH鋼を挿入する工事を終えました。
H鋼の上部をつなぎ、根伐りを行いつつ、矢板を挟んでいきます。
山留工事、完了しました、と言いたいところですが、正確に言うとこの段階で中断します。
なぜ中断するのかというと、次の工程は地盤を補強するため、鋼管杭を打ち込む作業に入ります。
本来であれば、最後まで根伐りを終えて、杭工事に入れればよいのですが、先にご紹介した急こう配であることが立ちはだかります。
これ以上掘ってしまうと、さらに勾配がきつくなり、工事ができなくなってしまうのです。
ということでこの段階で測量を行い、鋼管杭と建物の通り芯を出しておきます。
青い杭が通り芯、よく見えないと思いますが、ピンクのビニールテープが鋼管杭を打つ位置です。
この先、もう1mほど掘り進める必要があるのですが、この段階で一度床面を均しておきます。
なぜかというと、鋼管杭を打ち込む建柱車は、地面がななめでは垂直に打てませんよね。
このように均して、建柱車の重量を支えられるように鉄板も敷いて、万全な体制で鋼管杭を打てるように準備をします。
手間のかかる工事ではありますが、工事期間中の安全確保はもちろんのこと、完成した後もずっと安心して暮らしていただけることが目的だとすれば、ひとつひとつがとても重要な工程であることがおわかりいただけると思います。
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