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建築ブログ

07.30 | 未分類

夏の暑さ、冬の寒さを克服する家づくり

10数年前、まだ断熱性能などの住宅性能に対する意識が薄かった頃、

「家のつくりようは夏を旨とすべし、と昔は言ったけど、いくら暖房してもなかなか暖まらないようなスカスカな家はやめて、冬こそ快適な断熱性の高い家を建てるべき」

と、断熱性=住宅性能を高めようというアナウンスがしきりにされていた時期がありました。

令和8年、35℃を超える日が当たり前の今、兼好法師の言葉も一理あるかもしれない、と思ったりする今日この頃です。

夏を快適に過ごすには、できるだけ太陽の日差しを遮る方が良い。

夏は最大の敵となる太陽ですが、寒い冬は大いにその熱を取り込みたい大きな味方になります。

このように、両立が難しい状況の中でどのように家づくりを進めるべきか?

まずは、大前提として、夏の暑さ、冬の寒さを寄せ付けないように、気密・断熱性を高めること。

断熱材+気密シートの設置

その上で、夏冬の過ごしやすさや、冷暖房費に大きく影響を与えるのはなにか?

それは、窓です。

日本では、南道路に面する土地の価値が高くなることがよく知られています。

理由のひとつに、南に窓を設けると、日射のコントロールがしやすいことが挙げられます。

大きな窓を取り付けて、庇や軒で覆えば、夏は高い位置からの日射をカットでき、冬は低い日差しをたっぷり取り込めます。

庇は、窓の高さ10に対し、出幅3くらいがちょうど良いとされています。

では、南以外の、東、西、北はどうか?

実は夏のことだけを考えれば、南も含めて、窓は小さければ小さいほど良いとなります。

ひと昔前までは、夏でも窓を開けて風を取り込んでやり過ごすという住まいもありましたが、毎日が35℃を超える猛暑の中で、快適に過ごすには、エアコンに頼るほかありません。

そうなると、余計な熱が入りやすい窓は小さければ小さいほど良いということになります。

では、冬はどうか?

冬の窓は、日が当たっている間は熱を取り込めますが、そうでない時間帯は逆に熱が逃げてしまいます。

日が短い冬場、プラスに働くのは南側の窓だけで、北はもちろん東や西でも、熱を取り込む量よりもロスする方が大きくなります。

ということで、夏と冬を快適に暮らすための最適解は、南の窓は庇をつけて大きく取り、東、西、北の窓は、なるべく大きくしない方が良いということになります。

その上で、窓ガラスには断熱性の高い、Low-eガラスという、特殊な金属膜を貼ったガラスを使います。

このLow-eガラスには、大きく遮熱タイプと断熱タイプの2種類が存在します。

PANASONICのサイトより

これは、それぞれが遮熱、断熱に特化しているというわけではなく、両方とも高い断熱性能を持ちながら、遮熱するかしないかの違いと捉えるのが正解です。

では、どの向きにどのタイプを使用するべきでしょうか?

正解は、南は断熱タイプ、東と西は遮熱タイプです。

南側の窓は、庇に覆われて、夏の強い日差しは遮られます。

冬は、日差しの熱を取り込みたいので、遮熱ではなく断熱タイプの方が良い、ということになります。

一方、東、西は、庇で真夏の日差しを遮ることはできません。

西向きは、シェードなどを設置すると思いますが、不在時は下ろせません。

よって遮熱タイプの方が良い、ということになります。

北向きは、日があたりにくいので、基本的には断熱タイプをオススメしていますが、夏の猛暑の厳しさが増す昨今、やや西寄りに振れるような場合は、遮熱タイプをご提案する場合もあります。

とはいえ、ここまでのお話は、日の当たり方以外の条件を考慮していない、基本的な考え方を示したに過ぎません。

実際には、南側に隣地の建物が迫っていて日照が期待できない、とか「西側に富士山が見えるので借景を楽しむ窓を設置したい」といった制約やご要望がたくさんあります。

基本的な原則を押さえつつ、予算も含めた個別の事情を考慮しながらご提案するのが、われわれのような建築事務所を併設した建設会社の使命だと考えています。

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