先日、あるお客様とお話しをしていたら、このような質問を受けました。
『2階へ上がる階段には床がありませんよね。その部分は床面積から引かれるのですか?』
確かに穴が開いていて床がありませんよね。
ご指摘の通り、赤囲みの2階部分には床がありません。階段ですから。
しかし、建築基準法上では、階段の面積が2階の床面積にカウントされることになっています。
『では、1階の階段部分は?』と聞かれそうですね。
1階は1階で、その階段部分の面積が床面積にカウントされます。
これは階段下部分を活用しようが、壁で囲って使えないようにしようがカウントされるのです。
このように階段は、建ぺい率や容積率にも含まれるものですが、廊下も含めて考えると面積をかなりとるものなので、延べ床面積が小さければ小さいほど大きく影響を受けるものとなります。
例えば先ほどの図面でいうと、
そうならないように、廊下や階段をなるべくコンパクトになるように意識して、設計を行います。
ところが廊下はある程度コンパクトにできても、階段のスペースはどうしても残ります。
そこで階段のスペースをどのように使うかが問われてきます。
もっともポピュラーなのはお手洗いと収納スペースでの利用でしょう。
左下から右上に上がる階段の上に設置した階段上収納。
右の扉の奥が階段のてっぺんです。
こちらは階段下収納、わかりやすい事例ですね。
ある程度広さに余裕があると、玄関ホールにある一つのオブジェのような役割にしてしまうケースも多いです。
この階段の下を壁で囲って、その下に収納等を配置するとなると、相当な圧迫感でせまく感じてしまいますよね。
階段の上下を縦に支えている建材を桁(けた)といい、この階段は力桁(ちからげた)階段といいます。
まるで恐竜の背骨のようでしょ?オブジェの役割を果たしていますね。
こちらは、ちょっとしたお仕事や家事などで使えるPCコーナー。
オープンなスペースの方が落ち着く方には書斎としても機能します。
このPCコーナーは着座してしまえば、籠っているような気分にしたれます。
この写真ではわかりにくいのでもう1枚。
階段のナナメの壁と木製のルーバーで囲われているので、集中できそうでしょ?
最後はギャラリーとして活用している事例。
左側に少し見えるこげ茶の壁面にピクチャーレールがあって、玄関ホール自体をギャラリーに見立てています。
上部からの陽の光が階段を通って模様を描き、時間によって変化する、光と影の動きを楽しめます。
こちらはらせん状に設置した階段の下に、オブジェを置き、ライトアップされるようにしています。
『好きなものに囲まれて暮らす』ためには、ふさわしい設置場所も必要ですよね。とかく邪魔者扱いされがちな階段室ですが、神奈川、東京あたりで階段がない一戸建て住宅はほぼ皆無ですから、うまく活用したいですね。
神奈川で鉄筋コンクリート(RC)の
注文住宅を建てるなら、
一級建築士事務所 奥建設・
奥建築設計事務所にお任せください。
鉄筋コンクリートの強度を活かし、
傾斜地を地下室や地下車庫の用途で
有効活用するプランの
実績が豊富です。
神奈川県横浜市戸塚区
矢部町1828-45
TEL:045-392-3061/
FAX:045-392-3062