前回に引き続き、高い住宅性能を長期にわたり維持するために必要な構造上のお話しです。
住宅の外壁は、休むことなく紫外線や、雨、風にさらされて、過酷な状況の中、
家を守ってくれています。
でも、住み続けていく中で、何らかの影響により外壁にヒビや亀裂が入ることがあります。
そのような箇所や、開口部の不具合などから水が浸入することがありえます。
このような不測の事態が起きても、壁の内側の木部や断熱材等に水がしみこまないように、
外壁内側の下地には、防水シートを貼り付けます。
一方、寒い冬などは、外と室内の温度差が激しくなり、結露が発生しやすくなります。
湿気はできるだけ外に逃がして、結露による腐食を防がねばなりません。
ここで、外からの水は通さず、室内の湿気を外に逃がす素材が必要になりました。
この商品こそ、福井県を本社に置く「株式会社セーレン」が供給する透湿・防水・防風シート
「ラミテクトHI」です。
株式会社セーレンは、明治22年にその名の通り、精練事業という繊維から混じり物を取り除く
事業からスタートした会社だそうです。
福井県のサイトによると、このラミテクトは外壁用透湿・防水シートの国内シェア32%でトップ
シェアをとっているとのこと。
写真をご覧いただくとわかるように、このシートを下から貼っていき、10cmほど重ね合わせ
ながら上にはりあげていくことで、万が一雨水が浸入してもシートの外側を流れ、壁の内部に
侵入することを防いでいるのです。
それまではアスファルトフェルトという黒い防水シートだったのですが、透湿性が格段に上がった上、
貼ってしまうと、室内は真っ暗になってしまっていたのですが、このラミテクトは半透明なので光も透し、
室内作業もやりやすくなりました。
日本のメーカーは、やっぱり優秀ですよね。
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