前回、3/11に地下のコンクリート打設工事に向け、配筋、型枠設置までをご紹介しておりました。
コンクリート打設を終え、工事は一気に上棟へ進んでおります。
朝から始めて、夕方には屋根まで葺いてしまうスピーディーな作業です。
それだけに、細かい作業は後回しにして、まずは構造部材を組み上げていきます。
そうはいっても、1本1本の柱や梁がまっすぐに立っていなかったら、話になりません。
そんなことにならないように、柱の横にある「下げ振り」という工具を使います。
この下げ振りは、柱と水平に立つようにできています。
この状態で、地面に対して垂直であればOKです。
拡大してみましょう。
赤い浮きのような形をしたものが、おもりです。
まっすぐに下を向いていれば、垂直に立っているということ。
風が吹いても影響を受けないように、箱で覆われています。
まっすぐであることを確認して、この状態をキープすべく、仮に筋交いでおさえておきます。
これで柱がまっすぐに立ち、例えば強い風にあおられても傾くことなくキープしておけます。
この後、構造計算に基づいた、本番用の筋交いや建築金物でしっかり固定して、頑丈な家の骨組みが出来上がるというわけです。
この写真、工程としては、屋根を支える野地板を設置しているところです。
屋根のてっぺんに隙間が見えるの、お判りいただけるでしょうか?
光がわずかに漏れていますよね。
これは、棟換気と呼ばれる換気口で、屋根にこもった熱を一番高い棟の部分から抜いてあげるためのものです。
野地板を設置したあと、
これは前回別の現場でご紹介した写真ですが、通気スペーサーを設置して、野地板との間に隙間をつくります。
高温になった空気が上昇気流となって、このスペーサーの内部を通り、屋根のてっぺんの隙間から出ていくしくみです。
屋根の上は、右手に見える防水シートで覆って、屋根材を葺き、
その上を、ご覧の穴の開いた棟カバーで覆います。
最終的には、
このように納まります。
これは過去の施工事例の写真ですが、参考までに。
さて、戻りまして、上棟を終えた後の工事です。
基礎の上に載る土台と、大引で格子状に組まれた床の骨組みに断熱材をはめ、その上を構造用合板で覆います。
床が仕上がったら、次は壁です。
パーティクルボードとは、廃材などの木片チップを加工してつくった板です。
大きなメリットは加工がしやすいこと。
正面やや下に縦長の開口部がいくつか空いていますが、このように大きさを自由に決めて加工できるのが大きな特長です。
この開口部は、
縦スリットの窓になります。
光と風を採りこむことだけを考えれば、思い切ってこの3つ分、全部窓にすればよいかと思いますが、そうすると外からの視線が気になります。
見た目のデザインにも優れ、お部屋のアクセントにもなります。
当社がこれまでにお手伝いさせていただいたお住まいでも採用した事例は少なくありません。
視線を遮りながら、採光通風を確保しつつ、意匠性を高めるのにも一役買っています。
今回のお住まいでは、このM様邸の3つ連なる縦スリット窓を気に入っていただき、採用することとなりました。
さて工事写真に戻りまして、壁材が設置されると2回目の防蟻処理です。
1回目は、基礎工事の後、土台や大引などに、処理を済ましています。
建築基準法で、地面から1メートル以内の部分に、防蟻処理をすることが求められています。
今回はゴキブリを撃退する時に使うホウ酸団子でおなじみのホウ酸を使います。
人体には無害ですが、腎臓をもたないシロアリやゴキブリがホウ酸を摂取すると、排出することができず、一定濃度以上になると死に至ります。
施工を終えたところですが、しばらくすると揮発して、殺虫効果が落ちてしまいそうに見えますね。
ところが、ホウ酸自体は揮発しないといわれていて、木部に浸み込み、長期にわたって効果を発揮します。
防蟻処理のような守りの工事は、できるならあまりやりたくないものですよね。
そういう意味でも、ホウ酸は最適な処理方法だと思います。
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