地震が多発しています。
特に、11日の未明に起きた千葉県南部地震では、横浜も震度4を記録し、肝を冷やしました。
この規模の地震は11年ぶりと言いますから、ひとりひとりが改めて地震に対する備えを見直す良い機会と言えるかもしれません。
一方で、なかなか迅速な対応が困難な建築業界では、長年議論されてきた4号特例が見直されることが決まっています。
4号特例とは、木造2階建てまでで500㎡以下の建物(=4号物件)は、構造規定に関する審査を省略してもよいことになっています。
この制度、古き良き時代、1983年に、増え続ける住宅の審査が間に合わないという理由で導入されました。
その後、この特例を活用した構造強度不足の不適切な設計・工事監理が断続的に発生しました。
見直しをしなければ!ということで、2007年には建築基準法が改正され、建築確認や検査が厳格化されました。
しかし、結果、建築確認がなかなか降りず、現場が大混乱に陥り、やっぱり元に戻そうということになり、2010年にもう一度旧制度を継続しますということになっていたのです。
一方で、昨今、地球温暖化に対する住宅の性能アップや創エネが求められるようになりました。
そうなると、装備する建材の重量が増し、家が重くなります。
重くなると、構造にかかる負担も増す、というようなこともあってこのまま見過ごすわけにもいかず、今回の改正に踏み切りました。
当然、2007年と同じように検査体制の負荷が大幅に増えるわけですが、確認申請のオンライン化で効率化を進め、体制も強化して乗り切るようです。
今回の改正で、一般的な木造2階建ての家は、これまで省略が許されていた構造関係規定の書類を提出しなければいけなくなりました。
それはそれで安心ですが、忘れてはいけないのは、それでも熊本地震規模の大地震だと、倒壊してしまうケースがあるということ。
このケースでは、住宅性能表示の耐震等級2を取得しながらも、倒壊してしまったという、衝撃的な事件でした。
「首都直下型地震がこの先30年で発生する確率は70%」
この数字を、政府の地震調査委員会が発表したのが2014年。
もう9年経過しました。
何事も「こうすれば絶対安心」ということはありませんが、可能な範囲で「その時」が来た時の備えは万全にしておきたいものです。
さて、前置きが長くなりました、地下室のある家@横浜市港南区。
足場が外され、全貌がお披露目されました。
南側が下がっている絶好のロケーションです。
左側の道路と、車が止まっている右側の道路、高低差は約3m弱。
その崖地部分に、堅牢なコンクリート造で、擁壁を兼ねた地下室をつくっています。
古家を解体したときの同じアングルを振り返ってみましょう。
重機とコンクリート片のあるあたり、ブロック塀の擁壁の左側に古家が建っていたわけですが、近い将来、大きな地震がくると思うとちょっと不安ですよね。
この状態から、
山留を行って、このように崖地全体に配筋、型枠を設置して、コンクリートで打設しました。
型枠が解体された直後は、
写真の右側が崖とその上に車の通る道路、左が下にある歩道側です。
ちょっとしたシェルターのように見えます。
当社が得意とする、「地下のある家」は、外階段を内階段にできるとか、容積率緩和措置を受けられるとか、様々なメリットがありますが、実はこのような傾斜地や高低差のある土地の崖崩れを防ぐ堅牢な擁壁を造りつつ、地下室やガレージとして有効活用できるところに最大のメリットがあると思います。
さて、構造躯体の工事にめどがつきましたので、付随する工事に進んでいます。
まずは外構から。
こちらは玄関前のコンクリートで造る門塀の配筋。
道路の正面に玄関がくるので、目隠しと風よけを兼ねます。
2つのスリットからちらりと外を見通せるヌケをつくり、圧迫感が出ないようにしています。
内部には宅配ポストも設置しました。
ドライバー不足が本格化する2024年問題に対応します。
余談ですが、ドライバー不足は、最近免許を取得した方は、普通免許で2トントラックを運転できなくなったとか、2024年4月から時間外労働の上限規制がドライバーさんにも適用され、実労働時間が短縮されるのもきいているようです。
なるべく再配達しなくて済むように協力しないといけませんね。
こちらは駐車場側から見たところ。
中央やや左の濃いグレーの塊が門塀です。
駐車場側とはつながりを持たせる必要がありませんので、あえて閉じています。
内装工事も進んでいます。
ピンクの断熱材はコンクリート造用の断熱材です。
床はパーティクルボードの上に板を貼って下地をつくっています。
このパーティクルボードの下は、
支持ボルトとその先についた防振ゴムで支えられる二重床構造になっています。
この空間に配管を通すことで、床に障害物をつくることなく、メンテナンスや将来のリフォーム・リノベーションなどの際も、スムーズに行うことが可能です。
地下はサニタリールームや寝室、書庫などのプライベートな空間。
着々と進んでいます。
さて、パブリックスペースとなる木造1階部分、中央にある木組みの家具。
なんだかわかりますか?
1階のど真ん中に鎮座するアイランドキッチンです。
正面にスポットライトがあたっているように明るいでしょ?
その秘密は、このキッチン、南東を向いていて、真正面に大きな窓、その先にバルコニーがあって、遮るものがないからです。
気分よくキッチンに立っていただけると思います。
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