2年ほど前に擁壁の工事をご依頼いただいたお施主様より、本堂の建築工事のご依頼をいただきました。
現在の現地の様子はこちら。
右手にそびえるのが、当時造った擁壁で、その高さMAX5mを超えます。
この地に予定する建築物がこちら。
砂利敷の駐車場と擁壁の高低差を利用して建てる地下車庫のある本堂です。
擁壁の上からみた写真がこちら。
屋根の反った感じを模型で表現するのは難しいのですが、お寺の本堂です。
地下に駐車場2台分を確保し、内階段で1階と地下を行き来できるようにしています。
ようやく建築確認申請も終わり、いよいよ工事が始まりました。
まずは草を刈りこみ、着手できる状況に整えます。
こちらは擁壁の上からみたところ。
これより山留工事に入りますので、H鋼を打ち込む地点の位置を決め、目印となる青いテープや赤い杭を設置しました。
セメントミルク工法でH鋼の打ち込みを行います。
まず、左手に積み上げているセメントを現場でミルク状に攪拌します。
中央の建柱車に吊り下げられているドリルで穴をあけます。
このドリルの先からセメントミルクが放出されるしくみになっていて、引き上げる際にセメントミルクを放出します。
予定の地点まで掘ったら、土とセメントミルクを絡めながら引き抜き、右手に吊っているH鋼を挿入して固めます。
以前、1台の建柱車で、2つの作業を同時に行うケースも紹介しましたが、今回はその作戦は不可能でした。
その理由は、H鋼の長さが9mほどと長く、しかも車を止めるスペースと工事を行う場所の間に電線があり、建柱車のアームではそれを乗り越える高さが取れませんでした。
電線を傷つけるようなことがあっては大変です。
現場の状況に応じて、安全第一、最適な方法を選択します。
こちらの機械でセメントを攪拌し、セメントミルクを精製します。
H鋼を打ち込んでいる右手にセメントと土が混じったような色が見えますね。
これが時間をかけて固まり、しっかりと安定した山留の支えを完成させてくれます。
打込んだH鋼の上部をつなぎ合わせて、
矢板を挟み込みながら、同時進行で掘り進めます。
前回の擁壁工事の時もそうでしたが、地下を掘るとこのように水が湧き出ます。
建物が完成した後も、雨が降ると水が染み出すことになるので、この雨水を排出する仕組みを備えなければならないのですが、その役割を果たすのが黄色いシートで覆われたこの配管です。
中はどうなっているかというと、
トリカルパイプという黒い筒で、凹凸の上部2/3には穴が開いていて水を通します。
下部1/3は穴が開いていません。
上から染み出す水を受けて、外に排出するための配管です。
トリカルパイプの穴に土が挟まってしまうと水を通さなくなってしまうので、より細かい目の黄色いシートで巻いて設置しているというわけです。
今回の工事では、本堂ならではの装いに関しては、その道に通じている工務店さんにご協力をいただきながら進めます。
住宅とはまた違った楽しみがありますね。
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