前回、上棟式を終えた本堂の建築、工事が進んでいます。
まずは屋根の工事から。
きらびやかな銅板が使われています。
でも、この状態が長く続くわけもありません。
なぜ銅が屋根材として使われるかというと、銅の表面には緑青(ろくしょう)と呼ばれるサビが発生します。
サビるというと、嫌なイメージですが、一旦表面にサビが発生すると、それ以降、劣化が進みません。
それゆえ耐久性が高いのです。
こちらは大阪城の天守閣。
瓦のように見えますが、銅製です。
今から93年前、昭和6年にRC造で再建された時に、銅製で造られたそうです。
約30年前、平成の大改修で防水工事をやり直した後も、多くが当時から使われたもので葺きなおされたんだそうです。
長持ちする銅製の屋根ですが、なかなか一般住宅で採用するには高嶺の花。
しかも、コロナ禍の2020年から価格が高騰し、盗難事件が相次いでいるとか。
銅線や橋名看板、銅像など、かなりやられているそうなので、気をつけないと。
前回のブログでご紹介した湾曲部。
ルーフィングの下は、
船の底のように、縦に細い木材を重ねてこのような曲面を形作っているところをご紹介しました。
当然ながら、この曲面を覆う屋根の銅板も、ぴったり重なるように加工します。
仕上がりました。滑らかで美しい曲面を魚の鱗で覆うように銅板の屋根材が設置されました。
棟の妻側に鎮座するのは鬼瓦。
中央には紋章が。
この鬼瓦、内部は木製でできており、それを銅板で覆っています。
立派な屋根が完成いたしました。
手前の曲面に比べ、先に設置した大棟から両サイドの軒方向に流れている斜めの屋根部分の色が変色しているのがわかると思います。
既に緑青が始まっています。
このアングルが最もわかりやすいですね。
手前の破風は、初期段階で設置していて、変色が始まっていますが、その上に見える大棟と一部の屋根はオレンジ色に輝いています。
意識して見ていると、日毎、自然と変化していくさまに、趣が感じられます。
さて、こちら、内部の工事の模様。
お寺の内装工事も社寺建築の内田工務店さんにご担当いただきます。
天井、壁に下地を設置し、
コンクリート用の断熱材を吹き付けます。
このあたりまでは住宅と変わりません。
中央に二本の丸柱が設置されました。
この丸柱は、完成後あらわしとなる部分。
脚立の上で作業している職人さんは、
欄間を取り付けています。
最近の住宅では、欄間をつくるほどの本格的な和室はあまり見られなくなりましたね。
向こう側にRCの壁が見えていて、外に出られないドア。
どこでもドアのようです。
地下から2階までをつなぐエレベーター。
もう一度、正面の画像をご覧いただきましょう。
ドアの開口幅の広さに比べ、その両サイドの袖部分が狭いとおもいませんか?
開口部の広さは80㎝。
両袖は約20㎝で、2枚の扉が収まる広さ。
エレベーターの出入り口はできるだけ広くしたいけど、間口はできるだけコンパクトにしたい。
それゆえ、各2枚の引き戸がぎりぎり収まるサイズまで、両袖の幅を小さくしています。
このエレベーターはPanasonicの小規模建物用、3人乗り。
一般的な定員がもっと多い業務用エレベーターは、カゴと釣合いおもりのバランスで上下させる方式ですが、今回のモノは巻胴式といわれる、ドラムを使って巻き上げています。
釣合いおもりは、エレベーターの上部にスペースが必要となりますが、巻胴式は床下に機械室を設置できるので、コンパクトに収まります。
小規模建物の用途に合わせ、省スペース設計なのです。
石膏ボードを設置し、下地処理を終えました。
ガラスブロックはお施主様のお好みでお選びいただきました。
工事はこれより、本格的な内装の仕上げに進みます。
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