前回4/20に、鋼管杭を打ち込み、捨てコンを打設するところまでご紹介したグループホームの建設工事。
工事が進んでいます。
まずは、墨出しを行ったところから。
赤い「」で囲まれた部分がフーチング、青が基礎の立ち上がり部分です。
鋼管杭に3本のフックがかけられています。
これは何かというと、この後、配筋工事を行い、コンクリートの打設工事を行うわけですが、この鋼管杭は地下15mの深さまで埋まっています。
当然、内部は空洞。
このままコンクリートを打設したら、どんどんコンクリートを飲み込んでしまいます。
そんなことにならないように、このフックの下、1m弱のところに受け皿を用意し、生コンクリートがそれより下に落ちないようにしています。
杭の先に印された赤いマークは、
鉄筋を溶接するポジションです。
この鉄筋は杭頭補強筋(くいとうほきょうきん)といい、鋼管杭と基礎のフーチングを一体化させる役割があります。
以前にもご紹介しましたが、フーチングとは足の裏を意味する英語「footing」で、役割としては建物の重量を足の裏のように支えます。
「足の裏」といわれると、そう見えなくもないですね。
地盤が固く、十分な地耐力があれば地盤補強の必要がありませんが、建物の重量が重く、支えるのに十分な地耐力がない場合は、地盤補強を行います。
既にご紹介している通り、今回の工事でも鋼管杭で地盤補強を行っています。
この赤い破線で示した接合部をしっかりとつなぐのがこの杭頭補強筋の役割です。
過去にもご紹介しておりますが、今年元旦に発生した能登地震で倒壊してしまった7階建てのビル。
衝撃的な災害でした。
このビルが建てられた1972年当時は、まだ杭と建物をしっかりとつなげていないのが一般的でした。
この写真のように、杭の上にフーチングがただ載っているだけだったために倒壊したのではないか?と考えられています。
1978年の宮城県沖地震で杭の耐震性が注目され、それを受けて1981年に建築基準法が改正、新耐震基準となりました。
今回の工事ではこの杭頭補強筋で、深さ15mまで届く鋼管杭とフーチングおよび建物をガッチリと一体化させます。
全体を引いてるとこんな感じ。
目視で確認しても10本ほどの鋼管杭に杭頭補強筋が溶接されている模様がわかります。
これで基礎の配筋を行う準備が整いました。
配筋を支えるためのウマと呼ばれる支柱を青いラインの中心線に配置していき、
鉄筋を組み立てていきます。
さきにご紹介した、穴の中のフーチング部分。
赤いラインはほとんど見えないほどに鉄筋が混みあっています。
寄ってみましょう。
杭頭補強筋の周囲に、これだけ密な配筋を行って、コンクリートの打設を行います。
冒頭、鋼管杭の内部1m弱に受け皿を用意するとご紹介しましたが、それくらいの深さまではコンクリートを打設する必要があったということでもあります。
このフーチングで建物を支え、その重みをしっかりと地下15mの鋼管杭を通じて支持基盤に伝えています。
配筋工事が完了し、型枠が設置されました。
現場まで重機を下ろすことができないので、上の道路からコンクリートを打設しています。
重機のアームの上に、うっすらと高圧線が見えますよね。
長いアームと高圧線との離隔距離をしっかりとって、慎重に作業を進めます。
ところどころビニールシートで覆っていますが、この下は土があらわになっています。
雨が降ると泥になり、現場が汚れる上、資材を置いたり、人が歩くうえでも障害になるためあらかじめ養生を行っています。
コンクリートの打設工事が無事完了しました。
前回もご紹介しましたが、内部の穴の開いたところには土を埋め戻します。
一番奥に見えるビニールシートの向こうは、土地の高さが一段高くなっているのがおわかりいただけると思います。
この部分にも同じように建物が建つのですが、2期に分けて作業をしやすくしつつ、埋め戻しの土もこちらから運べるように待機させています。
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