建築ブログ
地下室地下車庫のある二世帯住宅＠横浜市青葉区～根伐り・山留工事
先月初めに、1年越しで工事がスタートした模様をご紹介した、地下室地下車庫のある二世帯住宅＠横浜市青葉区。
いよいよ山留工事に入ります。
高低差約5mの根伐りの模様です。
一般的な住宅の、3階床くらいの高さから、残土の搬出をするイメージです。
そのため、既存の階段を壊して穴を掘ってスペースを確保し、上部で作業するユンボが下に落とす場所を確保します。
その土を、下で待つユンボがダンプカーに載せて搬出します。
こちらが根伐りを始めた上部の様子。
手前の掘り起こしたところの奥に、数10㎝ほど均等に掘って均された部分があります。
こちらは、地下のない1階部分が建つところ。
手前の地下がある部分を5mも掘ってしまった後だと、この部分の根伐りを行うことができなくなってしまいます。
先行してやっておきます。
地下の根伐りを進めながら、矢板をはめて山留を行っていきます。
先ほどの階段は全て解体を終えました。
引いてみるとこんな感じ。
これくらいまで下がってくると、直接ダンプカーに残土を載せることができますね。
さて、右手に見える既存の地下車庫、ボックスカルバートと呼ばれるコンクリート構造物で、現場で打設したものではなく、工場で造ったものを運んで据えられたものです。
この地下車庫は、既存のまま残して活用します。
このボックスカルバートがあるところには、H鋼を打ち込むことができないので、山留を造ることができません。
どうするかというと、
このように土嚢を積み上げ、山留の代わりとします。
手前のコンクリートがボックスカルバートの屋根部分。
引いてみると、この通り。
雨が降って、土に水が含まれないように養生を行い、
最終的には地上近くまで積み上げます。
完成後、このスペースは家庭菜園を楽しむ計画があるので、表層部分には、菜園に適した土を埋める予定です。
さてこちら、何を準備しているか、お分かりいただけますでしょうか？
鉄板で両サイドを固め、中央を掘ってあります。
なにかが、またぎそうな雰囲気ですね。
はい、ユンボがまたぎます。
計画当初、もしかしたら地耐力が不足するかもしれない、という可能性が指摘されたため、載荷試験を行っています。
ユンボで跨ぎ、赤いパイプに荷重をかけて、中央のメーターで、どれくらい沈むかをチェックしています。
結果、十分な地耐力があることがわかりました。
このまま工事を進めます。
関東ローム層といわれる、構造物を支持できる強度を持つ地盤です。
予定の深さまで掘り下げ、平らに仕上げる床付けを完了しました。
床付けを終えた地盤面に、砕石を敷いています。
この後、転圧作業へ進むわけですが、右手に少し土が残っています。
この擁壁があった近くは、少々事情が異なります。
こちらに用意したトンパック。
中身は、
タフロックとは、「セメントをベースに、土を固めるための有効成分を添加した軟弱地盤改良材」です。
「構造物を支えられる固い地盤の関東ローム層です、という説明があったばかりなのに・・・」という声が聞こえてきそうです。
関東ローム層が強固な地盤であることは間違いないのですが、擁壁があったところ、およびその周辺は、その擁壁を造るために根伐りを行い、その上に擁壁を造っています。
何万年も前からある地盤と、数10年前に一度掘り返されている地盤の強度は比べ物になりません。
なので、この部分に限っては、改良材で固めておくというわけです。
まずはタフロックを撒き、
既存の土と混ぜ合わせます。
その上で転圧をかけて埋め戻します。
主原料がセメントで、さらに土を固めるための有効成分を添加しているということですから、たちまち強固な地盤となることを想像していただけると思います。
高低差5mの根伐り・山留工事を終え、地下のコンクリート工事に着手する準備が整いました。
これから暑い夏を迎えます。
安全第一に加え、熱中症にも細心の注意を払いながら工事を進めてまいります。