長く構想を練っておりました、川崎市で計画中のプロジェクトがいよいよスタートしました。
鉄筋コンクリート造で建てる賃貸マンションです。
分譲マンションやビルなども含めて、RC造や鉄骨造の建築物は、一般的に陸屋根とする場合が多いのですが、今回は勾配のある切妻屋根で計画しています。
陸屋根にすれば、屋上を利用できるというメリットがあるのですが、そのためには屋上に上がるための階段、あるいはタラップのような設備を造る必要があります。
屋上利用をするということは、床面がフラットになるので、雨水が流れにくく、雨漏りのリスクが高まります。
雨漏りをしないように防水をするわけですが、人が歩く屋上はその分防水の強度を高める必要があるため、初期費用はもちろん、メンテナンス費用も余計に掛かります。
とはいえ、「広い屋上があれば、太陽光発電パネルを載せるという手があるのでは?」とも思えます。
それでも、陸屋根に必要な初期費用とメンテナンスはそれなりにかかります。
さらに、陸屋根にソーラーパネルを設置する場合、もう一つ必要となるものが増えます。
こちらは参考画像ですが、パネルを支える架台です。
ソーラーパネルの発電効率を高めるには、真南に30度の角度で設置するのが最も効果的といわれています。
この架台の建材費用と設置費用も、無視できないほどにかかるのです。
そこへ行くと今回のプロジェクト、
勾配屋根が、ちょうどよい角度で真南を向いています。
この屋根であれば、架台不要、設置するだけで済みます。
将来、太陽光発電装置を設置する場合にも、とても恵まれた条件で設置することができると思います。
賃貸マンションは、付加価値を高めればよいというものではなく、コストとのバランスが非常に重要です。
今回のように、耐久性が高いRC造で建築し、メンテナンス費用を抑えるプランが合理的だと思います。
追って、現場の模様もご紹介してまいりたいと思います。
さて、前回までに上棟を終えた、地下室化地下車庫のある二世帯住宅@横浜市神奈川区。
工事が進んでおります。
既にご紹介しております、壁を構成するノボパンに、透湿防水シートを設置しています。
施工のポイントは、下から設置すること。
のりしろのように見える破線部分までを下にあるシートに重ねるように貼り上げます。
屋根を葺く時もそうですが、上から貼ると重なり部分が上を向くので、万一雨水が浸入したときに、ノボパン濡らしてしまいます。
下から重ねて貼っていけば、内部の構造を濡らすことを防げます。
シートを貼りを終え、通気胴縁を取り付けました。
この通気胴縁を挟むことで、壁の内部に通気層を確保します。
この通気層は、軒裏の空間を経て、屋根に設置した通気スペーサーを通り、屋根の頂上=棟に設けた換気口から空気と湿気がはき出される仕組みです。
外壁、白い軒天、黒い軒先が設置されました。
見た目にはわかりませんが、この黒い軒先にも、空気を取り入れる通気口が備わっています。
さて、このネット、何かわかりますか?
この下に雨樋が設置されるのですが、落ち葉などで雨樋を詰まらせることがないようにカバーするネットです。
雨樋が詰まるとその重みで劣化が早まったり、雨水があふれ、外壁を汚したりします。
それを防止する、積水化学工業の枯れ葉よけエスロネットという商品です。
室内の工事も進んでいます。
今回の二世帯住宅には、2階にもお風呂があります。
これがユニットバスを支える吊架台。
太い梁にガッチリと固定して、ユニットを支えます。
浴槽を含むユニットが固定された状態を下から見たものです。
床がないので、少々不安に見えますが、問題ありません。
この下には、1階の浴室をレイアウトしています。
深夜、2階のお風呂に入っても、1階の居室に直接音が伝わるのを防げるし、配管も最小限に抑えられるので効率的です。
室内のフローリング工事も始まりました。
床は無垢のホワイトオーク。
無垢フローリングは、季節により伸び縮みするので、通常、スペーサーを挟んで施工しますが、季節は梅雨。
一番湿気を含んで膨らんでいる季節なので、これ以上スペースを開ける必要はない、ということで、スペーサーを使っていません。
床の工事を終え、断熱材を施工します。
さらに、省エネ効果を高めるために、気密シートで覆います。
そのころ、地下の工事は、ようやくサッシの取り付け工事へ。
さらに、内装材を設置するための下地処理を行って、
こちらも断熱の工事に入りました。
事前に取り付けて置いた下地材に天井の骨組みを設置しています。
RC造は、下地材がないと、内装材を取り付けることができないのです。
こちらは床の下に設置する断熱材です。
厚みは5センチ。
前にも例えましたが、5センチというと、500万円分の札束の厚みがあります。
この厚さで、床下からの冷気をシャットアウトします。
これが、地下の床に設置したところ。
断熱材の上にさらに構造材で覆っています。
でも、こう見ると、断熱材がそれほど厚く見えないので、先回りして、断熱材の厚みをご紹介しました。
本格的な夏が始まります。
熱中症に注意しながら、安全第一に工事を進めてまいります。
神奈川で鉄筋コンクリート(RC)の
注文住宅を建てるなら、
一級建築士事務所 奥建設・
奥建築設計事務所にお任せください。
鉄筋コンクリートの強度を活かし、
傾斜地を地下室や地下車庫の用途で
有効活用するプランの
実績が豊富です。
神奈川県横浜市戸塚区
矢部町1828-45
TEL:045-392-3061/
FAX:045-392-3062