先日、タイトルのような質問を受けました。
「東京オリンピックの工事が始まると値段が上がると聞きました。
もう始まっているんですか?」
この質問をされた方は、こんな記事をご覧になったそう。
生コンクリートがこの5月、前年比18.4%も出荷量が増加。しかも3か月連続前年プラス。
大手町や日本橋の再開発向け案件の出荷のほか、五輪施設工事の需要が下支えした、とあります。
しかしこの記事、こう続きます。
6月も前年比2割アップを見込むも、比較の対象になっている
昨年の春は、今話題の豊洲市場特需が終わり、前の年の7割減だった。
要は、一昨年比7割減の前年同月と比べて約2割戻しただけですよ、ということです。
月30万立方メートルを超えないと本格的な回復とは言えない、と。
ちなみに18.5%伸びた5月の出荷は、上の記事にありますが、25万トンちょい。
ということで、長くなりましたが、冒頭の質問に対する答えは、
「一部ではじまりはしたようですが、まだ値段が上がるほどのボリュームではありませんね」
という感じでしょうか。
実は生コンの出荷量は、年々減少していて、バブルの頃、1990年と比較すると、
現在の出荷量はちょうど半分くらいの水準です。
公共工事が減り、マンションの供給戸数が減り、原材料としての生コンの需要が減っていきました。
でもよく見ると、一貫して下がり続けている中、スキーのジャンプ台のように反転している
カーブがあります。
96年度と2013年度の2回です。
何があったんだろう?
もうおわかりですよね?
そう、翌年の4月に消費税が上がったんです。
97年4月に5%、14年4月に8%です。
いずれもその前年度に盛り上がっている、いわゆる駆け込みです。
これを未来にあてはめると、現在の予定では2019年10月に消費税は10%に上がる予定。
ということはその前年の2018年=来年がジャンプ台の頂点にあたる年になります。
さらに、東京オリンピックの建築ラッシュは2018年に本格化する、といわれています。
消費税前の駆け込みと、オリンピックの建築ラッシュが重なると、冒頭の質問の通り
値段が上がる可能性があります。
需要が増えますので。
このグラフを見ると、ずっと需要が減っているので、少々増えたくらいで価格が上がることは
ないのでは?と思いますよね。
それが長く続いたデフレの1要因だったのでしょう。
でも、リーマンショック後の2009年以降は低位安定しています。
供給体制もそれだけ絞られた状態ですので、この状態で需要が急増するとバランスが崩れるでしょう。
とはいえ消費税はまた上がらないかもしれません。
でも建築ラッシュは来るでしょうね。
このような現状から、あまり先延ばしする理由がないお客様には、
「いずれにしても建てるのであれば、今年中にご判断されるのが良いですよ」
と申し上げています。
今年、2017年は、嵐の前の静けさのように、それほど目立った動きはありません。
来年になると、東京五輪の建設ラッシュがはじまり、消費税の増税まであと1年となり、
メディアのアナウンスが始まって、それに刺激された方々が動き始めると思います。
みんなが動き始めてからでは遅いです。
なんとなく決めかねて、様子見されているだけなのであれば、
今のこのタイミングで検討を進め、やるならやる、やらないならしばらくやらない
と判断されるのが良いと思います。
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