一昨日、フジテレビの「林修のニッポンドリル」という番組で、山手線をテーマにした放送がありました。
その中で、東京駅の駅舎が紹介されていました。
東京駅周辺はもともと埋立地で、軟弱な地盤を強化するために、丸太の杭を1万本以上打ち込んで、その上に鉄骨3階建てレンガ造りの重厚な駅舎が建てられたんだそうです。
現在では、鋼管杭やセメントミルクを使った柱状改良などで地盤を強化しますが、当時は木の丸太だったんですね。
大工事を終え、1914年に開業。
その9年後、今から99年前に関東大震災が発生。
周囲の建物がバタバタと倒壊する中でも駅舎に被害がなかったのは、その杭のおかげだった、と放送されていました。
その杭とほぼ同じものが、東京駅の正面にある、建て替えられた丸ビルに残されていました。
その長さ約15m。圧巻でした。
前回のブログで約3mの3本の杭を、溶接してつないで10mの深さまでの杭を打つ、とご紹介しましたが、100年以上前に、15mもの丸太の杭を1万本以上打ち込んだというのはすごいですね。
感心させられるのと同時に、軟弱地盤では建物を支える杭がとても重要だ、ということを改めて思い知らされました。
さて、前置きが長くなりました、横浜市南区の地下室地下車庫のある家、工事が進んでおります。
高低差4mの山留工事、基礎工事が終わり、地下のコンクリート打設工事に進みます。
まずは、配筋から。
山留工事を終えた矢板の壁面に断熱材を敷き詰め、内側に配筋を行います。
こちらは地下車庫入り口あたりから見た写真です。
正面の脚立の両サイドに柱がありますね。
配筋はまず柱から行って、その後で壁に進みます。
現在、柱をすべて終え、正面の壁までを終えたところで、次に右側の壁に進みます。
このように必要な鉄筋を壁に配置しておくところから始めます。
左手側が玄関です。
配筋工事が完了しました。
いきなりモノモノしい装いですが、型枠を設置します。
地下の天井となる型枠の上で作業を行っているのは、梁の配筋工事です。
柱の配筋は、長辺が縦方向になるので、鉄筋を縦に並べて(立てて)要所をつなぎます。
壁の配筋も、先ほどの画像でもありましたが、縦の鉄筋を先行させてから、横の配筋を行います。
しかし、横に長い梁の配筋はそうはいきません。
横に鉄筋を倒すと、たわんでしまい、うまくつなぐことができません。
そこで登場するのが、ウマと呼ばれる、スタンド看板の骨組みのような資材。
梁を挟むようにウマを2台並べ、角材を渡してその上に鉄筋を載せて固定し、一旦高い位置で作業を行います。
ある程度カタチが整ったところで、一斉に下ろし、柱や壁の配筋とドッキングします。
梁の配筋が完了すると、今度は地下の天井=1階の床になるコンクリートの骨組みを配筋していきます。
奥に見える白い床のスペース、あちらは地下のない1階部分。
この1階床の配筋時に、手前の地下のある部分とドッキングします。
というわけで完了しました。
配筋作業はなかなか骨の折れる仕事です。
機械がやってくれればありがたいのですが、作業が細かすぎてなかなかそうはいきません。
それでも100年前を思えば、道具の進化は凄まじいものがありますので、感謝しないといけないのかもしれません。
すかさず、コンクリートの打設に進みます。
時間を早めて、一気に完了。
ここでちょっと気になるのは、コンクリートを打設した表面、概ね、きれいに均されています。
しかし、左奥のコーナー近く。
ちょっと粗く見えませんか?
寄ってみましょう。
やっぱり粗い。
これはなぜかというと、コンクリートの打設は、時間をかけて空気が入らないように、バイブレーターなども駆使しつつ、注入していきます。
奥から順に注入しつつ、均していくので途中まではきれいにならせるのですが、最後には作業スペースが取れなくなって、一部粗いママ打設を終えるのです。
だからと言ってこのままでは済みません。
この後、忍者が川を渡るときに使う道具(水蜘蛛というそうですが)のような履物をはいて、丁寧に均していきます。
しかし、コンクリート打設をした直後は、そのような道具を使ってもズブズブと沈んでしまいます。
なら翌日に、と言って、時間を空け過ぎてしまうとしっかり固まってしまい、均せなくなります。
打設したコンクリートの上に乗れ、しかも表面を均すことができるちょうどいいタイミングというのは限られているのです。
冬場はコンクリートが固まるのに時間がかかり、その作業を、陽が落ちてからでないとできないということがよくあります。
すっかり時間が経過し、壁面の型枠を解体できました。
お化粧前のすっぴん姿ですが、きれいに仕上がっています。
ベストなタイミングで仕上げた1階床面。
滑らかに仕上がりました。
最終的にはこの上に床を設置するので、完成すると見えなくなるのが、ちょっと残念な気もしますね。
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