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建築ブログ

12.16 | 未分類

「なぜ、コンクリートはカチカチになるの?」

先週の金曜日、NHKの「チコちゃんに叱られる」で、なぜコンクリートはカチカチになるのか?というテーマが取り上げられていました。
良い機会ですので、補足を加えつつ、ご紹介したいと思います。
まずは、コンクリートの主原料、セメントから。
セメントは石灰石や粘土などの鉱石と酸化鉄などの原材料を適切な割合で混ぜ、粉砕、焼成、さらに粉砕して製造します。
このセメントに水だけを混ぜると、セメントペーストになり、タイルを施工する時の接着剤としての役割を担う下地に使ったり、基礎の立ち上がりを滑らかにするレベラーなどに使用したりします。

基礎の表層を滑らかにするレベラー

セメントに、水と砂を混ぜたものがモルタルです。これは、ブロックの接着剤とか、外壁や床、土間コンなどの厚みを調整しつつ、仕上げる材料として使われています。

塗り壁の下地となるモルタル

さらに、砂利を混ぜたものがコンクリートです。コンクリートはご存知の通り、構造そのものとして使われています。
なぜ、砂利を混ぜるかというと、

コンクリート打設

建物を支える構造材として使うだけあり、セメントペーストやモルタルに比べて、使う量が段違いに多いですよね。

骨材といわれる砂利を加える理由は3つあります。

1.砂利は水を加えても反応しないので、セメントと水の化学反応で発生する発熱を抑制する。

コンクリートの内部と外気にさらされる外部で大きな温度差が生じると、コンクリートの品質を損なう恐れがあるのです。

2.水の蒸発量を抑え、コンクリートの収縮を抑える。

干上がった沼などを想像していただくとわかる通り、水分が蒸発するとひび割れが発生しやすくなります。

同様に、コンクリートも収縮すると、ひび割れを起こしやすくなり、いいことがありません。

砂利で嵩を増せば、それだけ必要な水分量も減るので、収縮しにくくなるのです。

3.セメントよりも砂利の方がお安いからコストダウンにもつながる。

というわけです。

さて、そのコンクリート、なぜカチカチになるか?というと、

こたえ

トゲとトゲが絡み合い、その隙間を小さな結晶が埋めているから というのが答えでした。
その工程をざっと説明すると、

水を混ぜる

まず水とセメントが混ざると、水和反応が起き、セメントのまわりにエトリンガイトというトゲトゲ物質が、発生します。

水和反応

さらに、時間が経つと、CSHという結晶が発生して、そのトゲとトゲの隙間を埋めます。

CSH発生

この化学反応は、28日を経過すると、使用に耐える状態になり、その後、水和反応を起こしていないセメントと水分がある限り続くのだそうです。
コンクリートの歴史は古く、現存するローマパンテオン神殿は、1900年ほど前に建てられたもの。

神殿

歴史ある木造建築の代表選手、法隆寺も、1300年の歴史がある日本の誇りですが、木の弱点は水、湿気により腐ってしまうこと。
コンクリートは、腐るどころか水があるほどに硬くなるというのだから、長く持つわけですね。
ということは、コンクリート建造物の寿命、人為的に壊さなければ、100年どころではなさそうです。
しかし、RC造にも弱点があります。
それは、建物を支える骨格に鉄筋を使っているということ。
鉄筋に錆びが発生すると、建物の寿命を短くします。
これは施工精度に大きく左右されます。
日本でも100年を超えて未だに現役で活躍している建物もあれば、数10年でボロボロになってしまった建物も数多あります。
「RC造だから頑丈で長く住める」とは言い切れません。
「鉄筋コンクリート造の性質をよく理解して、適切な施工をしてこそ、頑丈で長持ちする建物を建てることができる」ということなのです。
そう考えると、一層身が引き締まる想いです。

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