鉄筋コンクリート構造の建築物は、大きく2つの構造形式に分れます。
1つはラーメン構造、もうひとつは壁式構造です。
ラーメン構造のラーメン=Rahmenとは、ドイツ語で枠とか額縁という意味。
英訳するとフレームです。

このように柱と、柱と柱をつなぐ梁で構成されます。
壁式構造は、床、壁、天井の6面体で建物を支える構造で、例えるならダンボール箱をイメージしていただけると良いでしょう。
1枚だと簡単に折れ曲がってしまうダンボールですが、6面体にすることで強度を確保しています。
それぞれの特徴をご紹介すると、
ラーメン構造は、柱と梁で強度を持たせるので、極端な話、高層ビルに見られるような全面ガラス貼りの建物も可能です。(外壁材をカーテンのように構造材にぶら下げるので、カーテンウォール工法と言ったりします)
タワマンのような高層化にも対応できるのはもちろん、室内を仕切る壁も構造上は不要なので、大空間や大きな窓をつくることが可能です。
一方で、柱や梁が室内空間に凸と出てくるのがデメリットと言われています。

ちなみに柱と柱の距離=スパンは、大きくも小さくもできますが、7メートル間隔で設計するのが、最も効率が良いとされています。
それより長いと梁の断面が大きくなり、鉄筋の量や型枠などが増え、コストアップにつながります。
スパンが小さいと、空間が狭くなり、設計上の制約が増えてきます。
壁式構造は、6面体の箱で強度を確保するので、壁を取り払ったような大空間をつくったり、大きな窓をつくることができません。
現実的なところでの、壁と壁の間隔は最大5〜6メートルほど。
その壁の位置も、1階、2階と各フロア同じ位置に揃える必要がある上、高さも5階建てくらいまでが限界です。
一方で、ラーメン構造ではデメリットとなる柱や梁の凸がないので、スッキリとした空間に仕上げることが可能です。

以上のような特徴を考えると、当社でお請けする建築物の構造は自然と決まってきます。
すなわち、設計の自由度を優先するRC住宅はラーメン構造を選択し、

RC造の低層賃貸マンションは、ラーメン構造を選ぶということになります。

とはいえ、例外もあります。

こちらの事例では、細長い敷地に外断熱のRC住宅を建てたいというご要望をいただきました。
しかも3階建てではありますが、スキップフロアで7層にもなります。
本来なら、ラーメン構造を選択したいところですが、間口が狭い上に外断熱となれば、柱や梁が室内空間に大きく影響してしまいます。
であれば壁式構造を、となるのですが、建物が細長いので、外壁の壁だけでは構造計算のハードルをクリアできませんでした。
簡単に言うと、長辺に対する横からの力に不安が残り、将棋倒しのようになる危険があるからです。
では、どうするか?
こうしました。

建物長辺に沿った、スキップフロアを行き来する階段室の中央に住宅を貫く構造上の壁を造り、強度を持たせたのです。
下から吹き抜けを通じて上を覗くとこの通り。

地下1階から3階までを貫いています。
これは特別な事例ですが、どの事例でも構造上の課題は少なからず発生します。
ほとんどのRC住宅で選択されるラーメン構造も先にご紹介した通り、柱と梁が室内空間に張り出すため、そのままだと邪魔になってしまいます。
そう感じさせないために、

例えばこちらの事例では、柱の左手に収納、右手に洗面化粧台をレイアウトすることで、柱も梁もスッキリと収まっています。
LDKに張り出した柱や梁も、

アクセントウォール&AVボードとスタディカウンターを設置して、リビングとダイニングを緩やかに分け、見た目にも違和感のない空間に仕上げています。
建物の特徴に合致した構造形式を選びつつ、初期の段階から構造はできるだけコストを抑えながら強度を確保し、見た目や使い勝手にも意識して設計を進めています。
このあたりは、設計事務所の機能を併せ持つ、当社の強みだと自負しています。
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