前回、11月末に新しい家づくりの始まりでご紹介した「地下室のある家@横浜市港南区」の続報です。
多くの場合、接道する部分が地下となりますが、今回は、道路の下に地下室をつくる家づくりです。
前回は、建物を解体し、地盤補強のための鋼管杭を埋め込むところまでをご紹介しました。
この写真を見ると、鋼管杭が打たれる前の写真を見ているようですね。
前回の写真に戻りますと、
確かに打ち込んでいました。
1枚前の写真は、打ち込まれた杭が、土に埋まって見えていなかっただけ。
念のためにもう一度。
下のユンボで土を削り、上のユンボでさらって、奥のダンプカーに載せています。
まだ杭は見えていません。
ここまで掘ってようやく頭が出てきました。
床付け(とこづけ)とは、所定の深さまで掘り、水平に均して、次の工程に進むための状態に整えることを言います。
ここで疑問がわきませんか?
普通に考えれば、根伐りを終えて、水平な状態にしてから杭を打った方が良いのではないか?と。
そのようにしない理由はいくつかあります。
まず、鋼管杭は、床付けした後の床面から頭が出ている状態が正解なので、床付け後に行うとすると、2本目以降の作業が圧倒的にやりにくい。
既に打った杭を踏んづけて、ゆがんでしまう場合もあるでしょう。
当然せっかく床付けして均した床面を踏み荒らすことになるので、最後にもう一度均す作業が必要になります。
根伐りをする前であれば、重機は自走して現場に入ることができますが、根伐りをした後だとクレーンが必要です。
根伐り後、ユンボを引き揚げるのにクレーンを使うのは仕方ないにしても、コスト面を考えてもできれば1回で済ませたいですよね。
一方で、根伐りをする前に鋼管杭を打つには、2mほど余計に深く打ち込む必要がありますが、全部で10mほどの杭を打つので、それはさほど問題にならないのです。
というわけで、建物解体→鋼管杭→根伐りという段取りで進めるのが正解なのです。
床付けが終わると、砕石を敷き、転圧を行って安定させ、湿気が上がらないように防湿シートで覆います。
左手前側の掘ったところがシートで覆われていないのは外構部分だから。
室内ではないので、湿気が上がっても問題ありません。
この段階から、異物が混入しないよう、中央の土があらわになっていたところをビニールシートで覆うなど、養生が厳しくなります。
捨てコンが打設されました。
野良猫でも迷い込もうものなら大変!といった緊張感で、さらに整然とします。
コンクリートが固まると、捨てコンを打設する目的である目印を示す作業、墨出しが行われました。
目印に従って配筋を行います。
左手前や土手側に、昔懐かしいお菓子のスピンによく似た丸いハンドルのような形状のものが見えますね。
この後、外周に型枠を設置するのですが、その型枠と鉄筋の間に十分な隙間をつくるためのスペーサーの役割を担っています。
型枠と鉄筋の間に十分な隙間がないとコンクリートの厚みが確保できず、必要な強度が出なくなってしまう可能性があるからです。
その鉄筋からコンクリート表面までの厚みを「かぶり」と言います。
感覚的に意味を把握しやすい名称ですね。
床面の周囲に立ち上がりの型枠が設置され、コンクリート打設の準備が整いました。
右手に見えているホースがそれです。
左上、青い車とピンクの車が見てます。
青い車がミキサー車、コンクリートの品質を維持するために、生コンをかき回し続けています。
生コンを構成するセメントと水、砂利などの比重はそれぞれ異なるため、そのままにしておくと分離、沈殿してしまうので、攪拌し続けています。
ピンクの車は圧送車。
グルグル回るミキサー車だけでは、現場まで生コンを運ぶことができませんので、この圧送車で圧力を加え型枠内部に届けます。
う〜ん、美しい仕上がり。
ちょうどいい具合に混合されたフレッシュコンクリートがきれいに均されています。
養生期間を経て、ベースコンクリートが固まりました。
1階部分の壁を配筋するための型枠を設置しています。
搬入されている単管パイプは、外側の型枠を固定するためのもの。
中にあった単管パイプで、型枠を外側から締め固めました。
1枚前の写真から1工程進んでいます。
右手の窓を見ていただくと、窓枠が入っているのがわかると思います。
その上に、右に張り出した型枠がもう一段高く設置されていますよね。
この部分は、1階リビングに面するバルコニーの腰壁をつくるための型枠です。
一歩一歩、進めてまいります。
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