以前から、飛び込み営業による点検商法が問題になっていました。
ここ数年、かなり増えているようです。
国民生活センターに寄せられた相談件数を東京新聞が報じていました。
特に増えているのが、屋根工事に関する点検商法。
2018年には3240件だったものが、昨年度は7845件と、2.4倍に増えています。
そんな状況を見逃すわけにもいかず、警視庁がこんなチラシを作っていました。
わかりやすいですね!と感心している場合ではありません。
ひどい手口です。
中には、「無料だから」と屋根に上げたものの「修理が必要です」といわれ怪しく思い、断ったのはいいけれど、それ以降雨が降ると雨漏りするようになってしまった、という被害も出ています。
営業されても断ればいい、というスタンスはNGで、絶対に上げてはいけない!という意識で対応しなければいけません。
そのためには、玄関ドアを開けずにインタホン越しに断るのが一番です。
このチラシ、動画でも紹介されています。
ここまでのお話は、悪意のある犯罪ですが、そうではない住宅トラブルも増えています。
先週火曜日のクローズアップ現代で放映されていました。
アイキャッチの画像でご紹介した、不具合74.4%という数字は、建物を診断する会社に依頼があった検査のうち、不具合のあった割合を示します。
その原因の1つが、大工さんが不足しているということ。
ピーク時の1980年には90万人を超えていた大工さん。
40年後の2020年には30万人を割り込み、1/3以下へ。
このまま行くと、15年後にはその半分に、25年後には、さらに1/3まで減る見込みだ報じていました。
大工さんが足りないことで、工期が間に合わないということが発生する上、その穴を埋めるべく、未熟な大工さんによる不具合が度々発生しているというのです。
なぜこんなにも信頼できる大工さんが減っているのか?
1980年ころまでは住宅需要も旺盛で、大工の棟梁がいる工務店に家づくりをお願いする、という請負契約が主流でした。
棟梁には弟子がいて、その技術を学び、一人前に育つ環境が整っていました。
しかし、1991年にバブルが崩壊し、着工数が減少傾向に。
同じころ、大手住宅メーカーの影響力が高まり、請負契約に変化が現れました。
それにより、棟梁が弟子をとって、育てる余裕がなくなったといいます。
2000年代に入ると、デフレの波が押し寄せ、ビルダーと呼ばれる低価格を売りにする建売住宅を供給する会社が影響力を高めます。
大手住宅メーカーと、ビルダーは、住宅建築の計画だけを行い、それを下請け工務店に依頼、さらにそれを二次下請けの大工さんに依頼することになります。
こうなると、大工さんの賃金は低く抑えられ、これから社会に出よう、という若い人にとって、労働条件は良くないし、技術を教えてもらえる場も少ない大工さんを目指すのはどうなのか?ということで、年を追うごとに人手不足が深刻になっているという状況です。
一部の企業では、若い大工さんの育成に力を入れているという動きが見られますが、大きな流れになっているとはいえず、しばらくは、大工さんが不足する状況に変わりはないと思われます。
家づくりやリフォームは、ひとつひとつの作業を人の手によって仕上げていくものです。
車や家電を購入するときと同じように、見積金額とスペックだけを見比べて、もっともコストパフォーマンスの高そうな会社に依頼するという選択をすると、失敗する可能性があります。
ぜひ気を付けていただきたいと思います。
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