前回、コンクリート打設工事を終えたところまでご紹介した、グループホーム建設工事@川崎市宮前区。
これより、混構造の上階、木造部分の工事に入ります。
養生期間を終え、コンクリートの床面に墨出しを行い、土台を載せたところです。
土台の下に敷いてあるのは基礎パッキン、土台を貫いているのはアンカーボルト。
コンクリート打設前の配筋時に取り付けてあったものですから、ガッチリと固定されていて、並大抵のことではビクともしません。
前回、地下1階の内部をご紹介しましたが、こちらは1階の内部、型枠が撤去されました。
とても美しく仕上がっていると思います。
さて、この写真、通常、当社が行う工事とは異なるところがあります。
こちらが、過去に当社が施工した通常の工事の模様。
その違い、おわかりいただけたでしょうか?
はい、正解は、照明です。
通常はこのように、延長コードを利用して、フックで支えになるものにぶら下げて明かりを確保するのですが、今回のような大きな建物の場合は、いちいちこのような配線があると、つなぐのも吊るすのも大変だし、何より邪魔です。
そこで、このように工事のときに使う照明用の配線もあらかじめ配筋内部に仕込んでおいてコンクリートの打設を行います。
邪魔にもならず、しっかりと明るく、設置したり移動する手間もないので、とても効率的です。
さてこの写真、サッシの取り付けを終えたところですが、その上に2本の木で天井を押さえているのが見えます。
これは、以前にご紹介したダメ穴=打設工事を終えた後、サポートなどを撤収するときに移動するための穴
を塞いでいるものです。
「構造上の強度に影響が出ない範囲で、いかに効率よく工事を進めることができるか?」
とても重要です。
打設を終えたコンクリート表面に、RCガーデックスというコンクリートの改質材を塗布しています。
すると、コンクリート内部のカルシウムイオンなどと反応し、無機ポリマーに変化します。
この無機ポリマーがコンクリート内部の隙間を埋めることで、固いコンクリートに柔軟性を与えます。
これにより、防水性を高め、塩害・凍害を防止し、耐久性を高める効果があるのです。
RCガーデックスの塗布を終え、床に配管が設置されました。
このあと、専用の束を設置して、
床面が完成しました。
まだまだ先は長いですが、一歩一歩進んでいます。
さて、地上の木造工事。
上棟に向けて、柱が立ち上がり、屋根に載る野地板が搬入されました。
中央やや上に、一段高くなっている屋根が見えます。
この下は入居者の皆さまが集まるスペース。
開放感のある空間にするために、天井を高くしています。
全体をルーフィング=防水シートで覆います。
今回の屋根は、瓦棒葺き屋根という工法で行います。
名前に「瓦」とついていますが、瓦は使いません。
使うのはこちら。
細身のドラム缶のように見えますが、
このように心木と呼ばれる棒の間に設置して、
伸ばして設置していきます。
材はガルバリウム鋼板です。
瓦棒葺き屋根は、今回のような屋根勾配が緩い屋根に適しています。
というのも、緩い勾配の屋根は、急こう配の屋根に比べ、水はけが悪くなりがちです。
コロニアル屋根などの凹凸がある屋根に比べ、棟から軒にむけて1枚の滑らかな屋根材で拭くことで、雨水が流れやすくなるのはイメージしていただきやすいと思います。
一方で、弱点は瓦棒の心木が腐食しやすいこと。
雨に濡れやすい、棟付近と軒付近が危険そうですよね。
そのための対策として、4枚前の画像をもう一度ご紹介すると、
雨に濡れにくい中央部には木材を使用し、上部と下部には、腐食しにくい樹脂製の棒を使っているというわけです。
ビジネスの世界で盛んに言われる「PDCA=企画➡実行➡検証➡改善サイクル」ですが、建築の世界では古くから業界を挙げて、様々な局面で、PDCAサイクルによる改善がなされていると感じます。
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