先週の金曜日、日本列島を線状降水帯が横断し、川崎市宮前区で擁壁が崩れる事故が発生しました。
幸いなことに人が巻き込まれるようなことはありませんでした。
神奈川県は、このような高低差や傾斜地が多く、古くから擁壁を造って建物を建てていました。
大量の雨が降るたびにがけ崩れや、擁壁が崩れるような事故が発生しています。
このような古い擁壁に住んでいらっしゃる方は、今回のような大雨の際には心配になると思います。
そんな方のために気象庁では、キキクル(危機来る)というサイトでどれくらい危険なのかを把握できる情報を公開しています。
キキクルには3種類ありまして、土砂キキクル、浸水キキクル、洪水キキクルの3種あり、上の画面は土砂キキクルです。
6/3には雨がやんでいましたが、6/5の朝時点では、危険度を示す、黄色い網掛けがされていました。
このキキクル、1km四方で、5段階の危険度を10分ごとに更新しているそうです。
一方で、擁壁のある家にお住まいの方は、それが危険なのかどうなのか、わからない方も多いかと思います。
そんな時にはこちら。
横浜市の建築局が「擁壁のはなし」という情報を提供しています。
冒頭にはこのような文章が。
「1 土地の所有者の責任
土地の所有者は、擁壁の崩壊やがけ崩れ等(以下「がけ崩れ等」)の災害が生じないよう、安全な 状態に維持管理する責任があります。 所有する土地でがけ崩れ等が発生したことが原因で人命や建物等に被害が生じた場合には、土地の所有者としての管理責任を問われかねません。また、がけ崩れ等発生後の復旧工事には多額な費用がかかることから、擁壁の補修や改善、日ごろの維持管理が大切です。」
どんな擁壁が危険かということも紹介されていて、
今回宮前区で崩れたのは、大谷石と言われる擁壁のようですね。
心配な方はご一読されることをお勧めいたします。
当社がご提案している「地下室地下車庫のある家」は、このようは古い擁壁を、現在の法律に則った擁壁に造り替えつつ、地下もガレージや地下室として活用する家です。
建築実例ページに過去の実例を多数ご紹介していますので、ぜひご覧ください。
さて、前振りが長くなりました。
先月からご紹介している地下車庫のある倉庫の建築、こちらも傾斜地に立っていた倉庫のお建て替えです。
前回までにご紹介していた山留工事、傾斜部分を切土しながら矢板で留める工事です。
山留工事が完了し、砕石を敷いて、圧力をかけた後、湿気が上がらないように防水シートで覆います。
まずは配筋の位置を明示するために捨てコンを打設しています。
墨出しを終え、基礎となる耐圧盤の配筋を行います。
お堀のような溝となっているところに自転車の空気入れのようなものが立っていますが、骨組みとなる配筋を行う際には高さが必要となるため、その支えになります。
矢板の内側に沿って暗くなっている部分の配筋を支えているのが先ほどの空気入れのようなもの(=ウマといいます)です。
耐圧盤の配筋が完了しました。
配筋の上に載っている黄色いカバーは、安全対策です。
これがないと鉄筋の先が上を向いていて大変危険なのです。
その下に波型のグレーの細い帯が見えると思います。
コンクリート打設工事が始まると先ほどの帯の位置が下がりました。
ちょうど半分くらいがコンクリート打設工事を終えた面に沈み、半分が上に出ています。
これは止水板です。
この後、壁のコンクリートを打設することになりますが、一度硬化したコンクリートの上に、新たなコンクリートを打設すると、その接地面が密着することはありません。
となると、水が入り込む余地ができます。
その水を止めるのが、その名の通り止水板の役割です。
必要な養生期間を経て、しっかり固まりました。
今回、地下は車庫利用となりますので、この耐圧盤が駐車場の床になります。
この後、壁のコンクリート打設をする際に一部傷がついたり汚れがつくこともあるのですが、
一応全体を板で覆い、傷み具合を最小限に抑えます。
壁面に使用する鉄筋が到着しました。
壁の配筋を終え、
型枠を設置していきます。
壁の配筋を終え、これより地下の天井=1階の床面となるコンクリートスラブの配筋に進みます。
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