年明けからそろそろ2週間、寒の入りからも1週間が経過し、ようやく本格的な寒さがやってまいりました。
現場は予定通り、しっかり進んでいます。
寒くなると体が硬く、縮こまります。
ケガのないように気を付けてまいりましょう。
構造躯体の工事を終え、前回から屋根の造作をご紹介していた本堂の建築。
今回は内装の模様からご紹介しましょう。
まずは床。
本堂の床はタイル貼り。
奥の隅から設置していきます。
この両サイドのタイルは、全体よりも一段高くなっています。
この位置から決めていきます。
タイルを土間コンクリートの上に貼っていく際には、まずバサモルタルといわれる水分量の少ないモルタルで下地を作ります。
タイルの手前に見えている、黒い砂のように見えるのが、バサモルタルです。
バサバサしているモルタルだから、バサモルタルなのですが、それなりに水分を含んでいます。
でも、これだけでは接着剤の役割を果たさないので、
バサモルタルの上に、薄く接薬剤の役割を果たすセメントペースト(ノロといわれます)を塗布してタイルを貼ります。
通常のモルタルを下地に使えば、接着剤の役目も果たすので簡単なのですが、水分が多いと時間の経過とともに収縮してひび割れを起こす可能性が高まります。
すると、タイルにも影響が出、割れてしまう場合があるため、バサモルタルを使うというわけです。
本堂の奥、仏様が祀られたり、ご住職がお務めをされる奥側を内陣と呼びます。
内陣のタイルは黒。
左側、グレーのタイルが張られているところは、一般の参拝者が座る場所=外陣(げじん。がいじんとも読みます)といいます。
タイルを同じ工程で進め、目地を埋めます。
この状態だと、内陣と外陣の境目がわかりにくいですが、手前のタイルが乾けば、コントラストがはっきりと出、見た目に違いが分かるようになると思います。
さて、外の工事に目をやりましょう。
こちらは、本堂正面の向拝柱の基礎と礎石(そせき。黒い石の部分)。
中央のに軸が見えます。
この軸と柱をドッキングします。
こちらが向拝柱の下部分。
しっかり穴が開いています。
25㎝角の太い柱。
成人の足の大きさほどの太さがあります。
傷をつけないように、しっかりと養生をし、二人がかりではめ込みます。
この画像で見ると、十字架のように見えますが、横長の養生は足場に布を巻いているものです。念のため。
ところ変わりまして、こちらは足場の上から撮っています。
先ほど建てた柱の上部です。右奥と中央手前で2本。
横を貫くのが頭貫(かしらぬき)、先端の木鼻に以前ご紹介した入八双の装飾が見えますね。
白く見えるのは漆喰を塗っているから。養生のためビニールで覆っています。
このあと、向拝柱の上に左側に見える、肘木(ひじき)を組み立てます。
これだけでもなかなかの造形美だと思います。
組み上げている模様を動画でご紹介しています。
上の画像をタップ、もしくはクリックしてご覧ください。
組み上げた肘木が中央やや下に見え、その上に横木を据え、本堂の屋根と接続します。
左側の下に見えるのが頭貫の中央に据えたかえるまた。
その両サイドに肘木が収まっています。
その上の横木には、溝が掘られ、屋根を支える垂木が載せられます。
本堂の屋根だけでなく、向拝の屋根の角も、上を向くように反っているのがおわかりいただけると思います。(奥の職人さんが支えている木)
設置した垂木の間に軒天となる板を載せています。
向拝の屋根の構造部分が完成しました。奥と手前、両サイドが跳ね上がっているのがおわかりいただけると思います。
奥に見えるえんじの布で養生している本堂の屋根の角も上を向いています。
お寺の屋根らしさが現れてきました。
本堂の入り口あたりから、上を見ています。
向拝柱の太さ、頭貫先端の装飾、かえるまたに肘木・・・。
寺社建築は、ひとつひとつ、意匠性の高い部材を丁寧につくり上げています。
お近くのお寺に立ち寄られた際には、意識してその様式を眺めてみると、楽しめるのではないかと思います。
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