昨年10月より、工事の模様をご紹介してまいりました、備蓄倉庫の建築。
ようやく完成が近づいてまいりました。
最後の仕上げの模様をご紹介いたしましょう。
まずはこちらから。
母屋と今回建築している備蓄倉庫の間に位置する階段室。
シルバーに見える箱がそれです。
今回の外観の仕上げは8割がたレンガですが、一部、コンクリート打ちっぱなしと、ガルバリウム鋼板で仕上げます。
そのガルバリウム鋼板で仕上げるのがこちらの階段室。
シルバーに見える断熱材は、レンガの断熱材とは異なる燃えない断熱材です。
ガルバリウム鋼板自体は燃えないのですが、熱を伝えやすい性質のため、近くで火災が発生し、内部の素材が高温になると発火する恐れがあるので、燃えない断熱材を使います。
断熱材を左に見える透湿防水シートで覆ってから、右手のガルバリウム鋼板を設置します。
これで完成。
こうみると、ガルバリウム鋼板が目立ちますが、全体の中では一部なので、アクセントになっています。
さて続きまして、こちら。
雨樋から雨水を集める集水桝。
通常、集められる雨水は公共下水などに直接流しますが、当該エリアは浸透式と言って、地下に吸い込ませる排水方式をとります。
集められた雨水は、正面の穴から配管に流れていきます。
水路に敷かれているのはメッシュ状のシート。
この上に砕石を敷いて配管を設置します。
配管から水が流れ出し、砕石に浸み込んでシートを通り、地中に浸透していきます。
砕石やシートがないと、水が土を溶かして目詰まりを起こし、流れが一部に集中して溢れたりするなど、不具合が発生する可能性がありますよね。
こうしておけば、万遍なくゆっくりじっくり無理なく浸透していくというわけです。
続きまして、こちらは車庫の内部。
この下は地下2階までの倉庫です。
倉庫がなければ、塗装で仕上げておしまいですが、そうはいきません。
この下に倉庫があるということは、防水と断熱工事を行う必要があるということ。
この作業は、塗装による防水作業を行っているところです。
途中の写真が抜けていますが、防水工事の後、断熱材を設置し、砕石を敷いてワイヤーメッシュを置き、コンクリートの打設工事を行っています。
これで、防水性を断熱性を確保しています。
コンクリートの養生期間を経て、最後はこちらもレンガを敷いて仕上げます。
壁面には撥水材を吹き付けます。
水をはじく性質のある撥水コーティングを行うことで、防汚性が高まります。
車に塗るワックスをイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
こちらは塔屋の屋上です。
立ち上がり部分=パラペットに金具を使って笠木を設置します。
笠木の役割は、装飾の意味もありますが、一番大きいのは防水性です。
パラペットに直接雨水があたるのを防ぎ、建物の劣化を抑え、雨水が浸入するようなことがないようにカバーします。
でもこうしてみると、つなぎ目から雨水が浸入し、コンクリートを濡らしてしまいそうに見えますよね。
そのあたりはさすがに建材メーカーもケアしています。
笠木の重なり部分には、雨水の受け皿が用意されていて、サイドから流れ落ちるような仕組みになっています。
さて、続きまして、いよいよ倉庫の内部です。
住宅の地下室のように、細かな内装仕上げはありませんが、とても大事に設備があります。
それは換気システムです。
通常、住宅の地下室の場合は、ドライエリアと呼ばれる空間を地下室の外に造り、換気や一部採光を得られるようになっています。
しかし、今回の地下2階建ての備蓄倉庫にドライエリアはありません。
倉庫なので、採光は必要ありませんが、換気は重要です。
一方で、ドライエリアのない完全にシャットアウトされた地下室ならではのメリットもあります。
それは、夏冬の温度差に影響されにくいということ。
地下2階ともなれば、約6mも地中に潜っています。
土の断熱材の厚みが6mもあれば、地上の外気温にはほとんど影響されません。
もっとも熱が浸入しやすい窓もありません。
だから、温度管理がしやすい地下は、倉庫にピッタリなのです。
でも1つ問題が・・・。
換気です。
外の空気をそのまま地下室内に入れてしまえば、当然ながら、夏なら室温が上がり、冬は下がります。
そうならないように採用した換気システムは、ロスナイです。
室内と室外の空気が入れ替わるときに、エレメントを通過させ、空気そのものを混ぜることなく、温度と湿度の交換をします。
こうすれば、換気をしつつ、外気温の影響を抑え、一定の温度を保ちやすくすることが可能です。
このGW前後も、夏日を記録する日がありましたが、地下2階の気温は18℃前後に保たれていました。
温度変化にケアが必要な物品の保管には、今回の備蓄倉庫、最適かと思われます。
エレベーターも無事に設置され、
地下倉庫も完成しました。
最後はこちら、母屋と倉庫を連結する渡り廊下。
以前ご紹介した通り、鉄骨で繋いでいますが、こちらも防火の観点から耐火被覆を行います。
強靭な鉄骨も、火災の高温に耐えられず、そのままでは倒壊する危険があります。
耐火被覆を行うことで、鎮火までの時間を稼ぐことができ、倒壊を防ぎます。
最終的にはこちらの渡り廊下の下は、
このように壁面で囲われ、駐車場から母屋への通路となりました。
ということで、ほぼ完成に近い状態まできました。
外構やそのほかの工事が続きますので、最終的な完成はもうしばらく後。
完成次第、建築実例ページでご紹介させていただこうと思います。
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