前回基礎のコンクリート打設工事までをご紹介した地下室のあるRC造の家。
引き続き下の階から、配筋、型枠設置、コンクリート打設工事へと進みます。
地下、長辺側、中央の柱です。
70㎝×100㎝の太さがあります。
こちらは四隅の柱。
70㎝×60㎝の太さです。
「四隅の角の方が太いのかと思ってた」
と思われる方、いらっしゃるのではないでしょうか?
あくまで略図ですが、柱のレイアウトをご紹介するとこんな感じ。
構造計算ではじき出された、安全に建物を支えつつ、コスト的にも無駄のない配置です。
言葉で説明することはできませんが、その安定感が伝わるのではないかと思います。
工事は進みまして、地下の壁と、天井=1階の床の配筋工事までを終えました。
オレンジの配管が見えます。
電気設備の配線などを通す配管ですが、このままコンクリートの中に埋め込まれます。
内部の配線に異常が発生した場合は、配線だけを引っ張り出してメンテナンスすることが出来ます。
さて、同じ工程の1階床から見下ろした写真。
梁内部にサランラップなどを使い終わった後の段ボールの芯のように見えるもの、お分かりいただけるでしょうか?
寄ってみましょう。
これは、スリーブといって、先に説明したオレンジ色の配管と同じ役目を果たすもの。
複数の配線をコンクリート内部に通す場合、太さが必要になるので、貫通孔をつくるためにこのスリーブを仕込んでおきます。
打設を終え、養生期間をへて、この建材は撤去します。
配筋工事が終わり、決められた生コンクリートの固さ=水分量で打設工事を行っていることを証明するためのスランプ試験を行います。
このスランプ試験は、コンクリートを打設する度に、毎回行います。
コンクリートを打設をしながら、均していきます。
美しい仕上がり。
水分量の多くない生コンクリートを、空気が入らないように壁の配筋に行きわたらせて、天井まで打設するのは思いのほか時間がかかるし、注意深く行わなければうまくいかない作業です。
養生期間を経て、すかさず1階の壁配筋工事へ。
壁の配筋が終わり、1階の天井=2階の床の配筋へ進みます。
乾燥が気になる季節ですが、雨が少ないので工事の進行は順調に進みます。
こちらの床には穴があいています。
こういう穴の開いた部分は強度が落ちるので、斜めに補強筋を入れています。
さて、この穴、何かおわかりになりますか?
正解はこちら。
工事が始まる前にご紹介した、2階の脱衣室から、1階のランドリールームに洗濯物を落とす、ランドリーシューターです。
既にご紹介済みですが、2階から富士山を望める絶景を楽しむために、バスルームは2階へ、でも家事動線を考えるとランドリールームは1階。
2つの優先事項を一挙に解決する大事な穴です。
こちらは2階の床から立ち上がる、バルコニーの腰壁。
光と風を通し、外観デザインのアクセントになっています。
4つの穴に加え、アールの形状も採り入れています。
しかし、当然ながらコンクリートフェンスは、建物本体の壁と比較すると、配筋は少なめ。
しかも、床から立ち上がっているだけなので不安定です。
コンクリートを打設するにあたり、相当な重量を支えるには心もとない感じがします。
なので、ガッチリとこのようにサポートで支えます。
コンクリートの打設が始まりました。
コンクリートフェンスはこんな感じ。
不安定さを感じさせない様子が伝わると思います。
これで、1階の天井=2階の床までのコンクリート打設工事が終了しました。
養生期間を経て、これより2階の壁、天井の配筋工事に移ります。
最後のコンクリート打設工事は年明けを予定しています。
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