立春から2週間経ちました。
あすは、24節気で言うところの雨水。
『空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる』
と言いますが、その通りの冷たい雨となりました。
まだまだしばらくは寒い季節が続きそうですね。
ちなみに、『雨水に雛人形を飾ると良縁に恵まれる』なんていうお話もありますから、
いずれ飾る予定のあるご家庭なら、この日に飾るのも良いかもしれませんね。
さて、現場は同時進行で進んでおります。
今日はその中でも、『子育て世代が建てる家@横浜市金沢区』の模様をご紹介しましょう。
前回は、外壁にラス網を施工しているところまでご紹介しました。
通気胴縁の上にラス網を貼っていくので、建物内部の通気性は確保されます。
全面貼り終わるとこのような感じになります。
この上からモルタルを、2回に分けて塗りあげていきます。
工事の途中ですが、モルタルを塗るとこんな感じ。
横に櫛引のような跡が残ってきれいに仕上がっていますね。
最終的には、この上を塗装して仕上げます。
さて、室内に目をやりましょう。
断熱材の施工です。
今回は、サーモウールという羊毛を加工した断熱材を使っています。
いわゆる断熱性能以外の特徴は、
・防音性も高い
・消臭効果も期待できる
・ホルムアルデヒドの吸着分解効果も期待できる
そして、何よりも効果を期待したいのが、結露を防ぐ調湿性を持つ、ということです。
サーモウールは「水は弾き、分子の小さな水蒸気は吸収する」性質をもちます。
吸い取った水蒸気は、結合水として分子状態で取り込むため、
表面が濡れることなく吸放湿し、ずっとサラサラで良質な状態を保ちます。
結合水というのは、何らかの物質と結合している水分のことで、例えば、木なども
水分を含んでいますよね。サーモウールも同じように、水そのものを吸収することは
ありませんが、室内の湿度の状況に応じて、水蒸気を吸ったり吐いたりするのです。
この性質が、室内の過剰な湿気を吸い上げてくれるので、結露を防いでくれるのです。
同じような性質を持つ断熱材として、セルロースファイバーという古紙を使った断熱材も
ありますが、今回はサーモウールを選択されました。
天井裏にも、びっしりとサーモウールを敷き詰めていきます。
と、そこには大きな機械が・・・。
さてこれはなんでしょうか?
正解は、『熱交換式換気扇』です。
一般的な住宅の換気扇は、各部屋から空気を取り込み、お手洗いやキッチンなどの
水回りや匂いの出るところから、排気します。この換気の仕組みは、今から12年前に
建築基準法の改正によって、義務化されました。
住宅の高気密化が進んだことにより、建材や家具に含まれる化学物質が室内から抜けにくくなりました。
そこで、シックハウス症候群対策として、2時間に1回は部屋の空気が入れ替わるような
換気設備を取り付けることを義務化します、と国が決めました。
それはそれでいいとして、想像してみてください。
今、横浜の気温は4℃。室内は20℃くらいに暖房しているのが一般的でしょう。
かなりの気温差がある中、そのまま換気をしてしまうと室内の温度は一気に下がってしまいます。
夏の冷房時もエネルギーロス的には同じことが起こります。
この問題を低減してくれるのが、熱交換型換気扇です。
換気と吸気をこの機械の中で同時に行います。
簡単に仕組みを説明すると、吸気と排気の通り道を熱伝導性の高い紙で作り、
その通り道を、吸気と排気で交差させるのです。
これにより、空気が入り混じることなく、温度だけを交換することができる、という仕組みです。
約6~8割の熱エネルギーを回収できるといいますから、かなりのものです。
こちらは、遮音シート。
閑静な住宅街ですし、遮音シートなんか必要かな?なんて思いそうですが、
これは室内の壁に張っているもの。
お風呂やトイレなど、水の音が響く恐れのあるお部屋には遮音シートを施工しておくと、
深夜にお手洗いに行きたい時や、シャワーを浴びる時なども気兼ねなく入れますよね。
こちらは、2階へ上がる階段です。
今回は鉄骨のスケルトン階段を採用しました。
意匠性が高いことももちろんありますが、階段下の壁に穴があいているのがわかりますでしょうか?
ここに様々な配線が来る予定です。
そう、階段下の空きスペースに書斎コーナーを作って、リビングでもちょっとした作業や
お仕事、読書などができるスペースを設けました。
木の階段よりも、鉄骨階段の方がスリムに取り付け可能だったので、鉄骨階段を採用したのです。
完成が今から楽しみです。
工事は進みます。
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