2ヶ月ほど更新をしておりませんでした、『地下二階層の家』@横浜市金沢区。
工事が進んでおります。
久々の更新ですので、建築計画のおさらいから始めましょう。
着工前の現地から。
高低差約6m。ちょうど二階建ての住宅がすっぽり収まるほどの高さがあります。
完成すると、このようなイメージになります。
はい、地下二階分、すっぽり地中に埋まっております。
まさしく『地下二階層』ですね。
地下の工事で特に配慮しなければいけないのは、水の問題です。
今回は、防水に関する工事を中心にご紹介いたしましょう。
基礎から地下二階にかけてコンクリートを打設している模様です。
上から見るとこんな感じに。
さて、この状態から数日が経ち、乾燥後、型枠を外したあとに、いよいよ防水工事が始まります。
画像は、地下二階部分の壁です。左に見えるのが高低差を削った切土の跡です。
最終的には人が立っているところは土で埋め戻されます。
埋め戻されるということは、コンクリート壁部分も土の中に埋まることになります。
雨が降れば土中に水が浸透し、時の経過とともにコンクリート内部に水が浸入して躯体を劣化させる恐れがあります。
そこで塗布しているのが、三和リバコンという会社が作っている、高浸透性液体コンクリート改質剤『リバコン』です。
わかりにくい名前をそのまま書いて申し訳ありません。
少し解説しますと、高浸透性液体というのは、コンクリートによく浸透する液体であるということ。
浸透した上で、コンクリートの質を変えてしまう性能を持つ液体だということになるのでしょう。
さて、どのように質をかえるかというと、コンクリート内部は、打設工事の際に完全に空気を外に出すことは
不可能ですから、細かな空隙がたくさんあります。リバコンはコンクリートに染み込んで
セメントの構成成分と化学反応を起こして結晶生成を行います。
この結晶化により、コンクリートが緻密化され、空隙が減少し、ひび割れも0.2mmまでのものであれば、
時間と共に自己修復します。その結果、 コンクリート内部への水や有害物質の進入が遮断され、
コンクリートの劣化を抑止し、コンクリートの長寿命化を図ることができます。
リバコンによるコンクリートの緻密化のメカニズムは、コンクリート内に水分がある限り、
1回の施工で半永久的に持続し、生成された結晶も非常に高い安定性を誇ります。
このリバコン、なかなかのスグレモノでしょう?
とは言っても、このまま土を埋め戻してしまって大丈夫なの?・・・
と思う方もいらっしゃるでしょう。
その通りで、直に土を埋め戻してしまうのは、やはり心配です。
まずはこちらをご覧下さい。
これが地下二階の床面です。
今でも水が溜まっています。
今回の現場は、とても硬い岩盤で水も通りにくい地質です。
ここに普通の土や砂で埋め戻しをすれば、この地下二階の床部分に水が溜まることになります。
雨が降った時を想像すると、埋め戻した土や砂に水が染み込んで、この位置に水が溜まっていく
様子が想像できますよね。
その溜まった水を外に吐き出す役割を担うのが、コンクリートの壁に沿って設置されているドレン管なのです。
ドレン管とは、雨水や雑排水などを排水するための管のことをいいます。
このドレン管、網の目のようになっていて、固形物は通さず、水だけを吸収して管内に取り込み、
勾配を利用して外に排出されるというスグレモノです。
土を埋め戻す前に、コンクリート表面をこのグリシートで覆います。
このグリシートの内部をアップで見ると・・・
凹凸のある固形物が入っていて、覆われたシートを水だけが通り抜けて、このグリシートの表面を下へ下へ
流れていくようになります。
そして先ほどの管へ行き着き、吸収されて水だけが外に排出されるのです。
グリシートで覆われたあとに埋め戻し作業が始まりました。
この写真を見ながら、雨が降ったことを想像すると、雨水が下へ流れながら、
埋め戻された土よりもスムーズに流れるグリシートの方へ吸い寄せられ、
どんどん下へ落ちていく様子が想像できるのではないでしょうか?
ある程度まで完成すると、最後に排出される写真も撮れますので、その時に
もう一度全体の流れをご説明できればな、と思ってます。
工事は続きます。
神奈川で鉄筋コンクリート(RC)の
注文住宅を建てるなら、
一級建築士事務所 奥建設・
奥建築設計事務所にお任せください。
鉄筋コンクリートの強度を活かし、
傾斜地を地下室や地下車庫の用途で
有効活用するプランの
実績が豊富です。
神奈川県横浜市戸塚区
矢部町1828-45
TEL:045-392-3061/
FAX:045-392-3062