7月に入り、いっそう梅雨らしくなってまいりました。
3月から取り組んでおります横浜市内の擁壁工事。
早速進捗状況をお伝えしましょう。
スケールの大きさがわかりやすいように、人が立っているところを撮影しました。
約5mにも及ぶ擁壁です。
なぜ、主に住宅建築を生業としている当社が、こんなダムみたいな擁壁工事を行えるのか?
ご興味がございましたら、当社の成り立ちをご覧ください。→まんが「地下室地下車庫の家が得意なわけ」
本日のような大雨が降った時を想像していただくと、この擁壁の中にどれほどの水がたまるのか想像いただけると思います。
まさにプールに水がたまるかのような水量になることでしょう。
その水を抜くために、前回ご紹介した水抜き穴が設置されています。
この擁壁内部には、この後、土が埋め戻されます。
そのまま埋め戻して大雨が降ると、土も一緒に流れ出てしまいますよね。
そうならないようにこの透水シートで、
このように擁壁の内部を覆います。
この透水シートによって、雨水だけが水抜き穴から流れていくというわけです。
続きまして、埋め戻しの模様を。
土が運ばれてきます。
この土はどこから運ばれてくるかというと、
この擁壁の坂の上から運んでいます。
実はこの擁壁、長さ35メートルにも及びます。
35mの擁壁をいっぺんに造ろうとすると、道路を占有したり、特殊車両を複数用意したりなど、多くの問題があり、かえって効率が悪くなるため、2回に分けて工事を行っています。
この埋め戻す土も、2回に分けてやれば、1回目掘り起こした部分に埋め戻す土を、2回目掘り起こしたところからそのまま移動すればとても効率よく作業を進められるというわけです。
「といっても、約5mもの高さがある擁壁の中に土を埋め戻したら、スカスカになって、地盤沈下を起こすのでは?」
なんて思われますよね。
そうならないように、土を埋め戻しては転圧をして踏み固めるという作業を、30㎝ごとに繰り返し行います。
その回数、なんと14回。
ちょっと気が遠くなりますね。
擁壁にそって、30㎝幅のコンクリートで固めています。
先ほど、水抜き穴をご紹介しましたが、当然壁に沿った水抜き穴からすべての水が抜けるわけはなく、抜けなかった雨水は下にたまります。
溜まった雨水がこのコンクリートを通って排出されるのです。
コンクリートが固まったら、
砕石を敷き、
そのまま埋め戻します。
すると、雨が降った際、この止水コンクリートで固められた位置よりも水位が上がると、自然にこの砕石を通ってろ過された雨水が下部の集水器に集められて排出されるという仕組みです。
第一期のこの写真は、5層目を踏み固めていますが、このまま、埋め戻しては転圧を繰り返す工事が延々続きます。
その間、第二期の工事をご紹介しましょう。
先ほど第一期工事の埋め戻しに使った土がきれいに掘り起こされ、整地されています。
根伐で掘り起こした土を、埋め戻しに使わないとなると、残土を運んで処理しなければなりませんので、ユンボ―で削った土をそのまま移動して埋め戻す、ということがいかに効率的であることがおわかりいただけると思います。
ここからは、基本、一期工事と同じ流れになりますので、駆け足でご紹介ましょう。
地盤を安定させるため、砕石を敷き、転圧をかけます。
その上から捨てコンを打設して、墨出しをし、
配筋を行います。
仕上がった時の表面に、意匠を施すため前回ご紹介したモールドスターを型枠内部に仕込んでいます。
擁壁内部にコンクリートを流し込み、打設を行います。
というわけで、型枠が撤去され、完成しました。
第二期工事は坂の上なので、擁壁が低いのがおわかりいただけますでしょうか?
比べてみると一目瞭然。
左側の擁壁、一番奥は約2mほどで、人が立っているところで約3m。
右側は約5mになります。
こちらが坂の上、これまでご紹介しておりませんでしたが、右手の赤いコーンが二つ立っている外構も一期と同じタイミングで一緒に工事を行いました。
正面の安全第一の柵の内側、上部のコンクリートが打ちっぱなしで、下部がモールドスターのデザインで仕上がっています。
打ちっぱなし部分は、ジョリパッドという意匠性の高い外壁材で仕上げる予定です。
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