前回、コンクリートの打設工事を終えた本堂の建築。
コンクリートの養生期間を終え、型枠が解体されました。
遠目ではありますが、美しく仕上がっています。
中に入ってみましょう。
この画像からご覧になった方がいたとしたら、「地下車庫かな?」と思われる方がいるかもしれませんが、本堂の内部です。
こちらは地下の駐車場から本堂に上がる階段室とホール。
右に見える太い柱の奥にはエレベーターを設けます。
この後、じっくり、しっかり、内部の造作工事に入っていきます。
早速搬入された木材、先端部分が通常の住宅と異なるのがお分かりいただけると思います。
鋭角に切られていたり、凸が異様に長かったり。
まずは、1階コンクリートの屋上に屋根を造作するための土台を載せました。
うっすらと凹が並んでいるのが見えますね。
木造住宅の基礎に乗る土台は、
このようにほとんどありません。
住宅の場合は、ホールダウン金物とかアンカーボルトと呼ばれる金物で繋ぎます。
寺社建築でも金物は使いますが、木組みの工法で進める部分も多いのです。
土台に屋根を支える長い木材が設置されました。
横から見ると、こんな感じ。
お寺の特長はなんといってもその屋根の大きさです。
昔から、威厳のある美しい建物は、屋根の大きさに比例すると考えられてきました。
でもその大きな屋根を、一般的な建物と同じように隅木(一番上に載っている反った木)や垂木だけで支えるのは無理があります。
そこで一番上の隅木と桁にあたる土台の中間に木材を入れ、真ん中よりやや左側を支点として右端に下向きの力を加え、てこの原理で左端が跳ね上がるようにしています。
わかりにくいので、略図にするとこんな感じ。
この中間にある木材は、隅木を跳ね上げることからはね木と呼ばれています。
辞書を引くと、跳ね木とも桔木とも書くようです。
平安時代後期から、てこの原理を利用したこの桔木が使われている、ということに驚きましたが、そもそもあんな立派な寺社建築を当時から建てていたということに、もっと感動すべきかもしれませんね。
この位置から見ると、一段と跳ね上がった屋根の先の迫力が伝わってきます。
全体像をもう一度確認しておくと、右側が本堂正面。
前回ご紹介したかえるまたがある方です。
では左側は、どうなるか?
模型で確認しましょう。
これより、屋根の下に位置する三角形の部分を設置する工事に入ります。
この造作はあらかじめ内田工務店さんの作業場で創られており、現場で設置します。
この凹凸を見ていただいてわかるように、クレーンで吊り上げ、ドッキングします。
ほぞ穴にほぞを差し込む時には、真正面から均等に力を加える必要があります。
その模様は、上の画像をタップ、またはクリックしてご覧ください。
バッチリ仕上がりました。
正面から。
うーん、おみごと。
厳かな感じです。
正面の格子は、きつね格子、三角形の上部にある装飾は、懸魚(げぎょ)といいます。
なんできつね格子?
木連れ格子がきつね格子になった?とか、
なんで懸魚?
火災を嫌って、水に関係するものが好まれたから?とか諸説あるようです。
いずれにしても寺社建築は奥が深いですね。
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