先週ご紹介させていただいた「完成間近!地下室地下車庫のある家@青葉区」。
カメラマンさんが撮影した写真が仕上がってまいりました。
建築実例でご紹介すべく、準備を進めておりますが、先行して当ブログにて、
設計上のポイントと合わせてご紹介したいと思います。
その3つが今回のタイトル「擁壁後退、シューズクローク、吹抜け」です。
まずは、建築前の状況を振り返ってご紹介いたしましょう。
前面道路が広くないために、目一杯引いてもこのような写真になります。
右のお隣さまの勾配のある屋根と、その裏側のマンションが目印となります。
解体後、反対側から見た写真がこちら。
道路と敷地の境界まで、建物の擁壁が来ているのがわかりますよね。
結構な圧迫感です。
ご主人は、ガレージライフを楽しまれるため、地下車庫を2台分確保し、お客様がいらした時の
駐車スペースも確保したいご意向です。
いずれにせよ既存の擁壁を壊して、地下室と地下車庫を確保するので、
擁壁を後退させ、前面にカースペースを確保するランドプランにしました。
そうすると、道路と建物の間にも余裕ができますので。
完成した建物正面の様子がこちら。
ドドーンとスペースが確保されました。
その奥行、約3メートル。
お客様がいらしたときの縦列駐車も苦にならないほどの余裕があります。
車庫から車を出すときも、帰宅する時も、ストレスフリー。
近隣の方にとっても見通しが良くなって、安心ですよね。
建物の全貌もご紹介しましょう。
建て替え前の状態からは、ちょっと想像しにくいかもしれません。
でも右のお隣様と、マンション。一緒でしょ?同じ土地に建つ建物なのです。
こちらが、計画時の模型です。
一部変更したところがありますが、ほぼ当初の予定通りの建物が建ちました。
さて、中へ入りましょう。
続きまして、玄関の裏側のシューズクローク.
印象的な天井のクロスは、サンゲツ リゾートグレースタイリッシュ&モード。
下からなめてとってもらいました。
幅約3.6mあります。
畳を縦に2枚並べた広さです。広いでしょう?
実は、このシューズクローク、将来(かなり先ですが)エレベーターが必要になった時には、
半分を取り壊し、EVスペースに変身します。
通常、エレベーターにする可能性のあるスペースは、独立した納戸にします。
こちら、先日EV設置工事の際にご紹介したM様邸の工事前の収納です。
このように、地下、1、2階の同じ位置に、このような収納を作っておき、その時に備えます。
今回は、地下の将来のEVスペースを大きなシューズクロークとして使い、
必要が生じた時には、シューズクロークを半分にする作戦です。
そのころには、子供たちも成長して、独立している可能性が高いので、
「そんなに広いシューズクロークは必要なくなるだろうから」というお考えなのです。
こちらは、リビング裏手のファミリークローゼット。
こちらはシューズクロークよりも広く、間口4.3mあります。
このクローゼットに家族みんなの衣類をしまい、着替えもここでします。
洗濯し終わった後の衣類を、ひとまとめにしまえます。
それゆえ、各居室にクローゼットを設置せずに済みました。
通常でしたら、向かって右側にクローゼットを作るんですが、
フルオープンになっています。
さて、最後に吹抜けをご紹介しましょう。
開放感のある吹抜けです。
空気を攪拌させて、部屋の温度を均一に保つシーリングファンも設置しています。
冬は風が上に向くように、夏は下方向に回すのがおススメ。
冬は下にむけると寒いし、上昇気流を促すことで、スムーズに循環します。
夏は、下にむけると優しい風が心地よいですよね。
リビングとの繋がりを感じられる室内窓を設けました。
この壁のクロスも渋いですね。
ちなみに、黒は後退色なので、部屋の奥に黒いクロスを使うと
実際よりも奥行きがあるように広く感じます。
この吹抜け、1階と2階を縦につなぐという目的に加え、もう一つ、役割があります。
それは採光のメリット。
近隣に住宅が立ち並ぶ場合、お隣さまの住宅によって、1階には光がうまく取り込めない
場合が少なくありません。
よくある2階リビングというのは、リビングの日当たりを優先して採用する場合が多いのです。
でも、地下室地下車庫のある家で2階リビングにしようとすると、帰宅してから毎度
2階分階段を上がらなければいけなくなります。
できれば、地下玄関から帰宅して、そのまま1階へ上がり、手洗いうがいをして、
そのままそのフロアでリラックスしたいですよね。
日当たりのよい1階リビングを実現するためには、吹き抜けが有効なのです。
図解しましょう。
左が普通の2階建て。
1階はお隣さんの建物が光を遮るので、十分には陽が入りません。
2階はほとんど邪魔にならないので、サンサンと入りますが、
2階の床で行き止まり、当然1階には届きません。
もうお分かりですね。
吹抜けにすれば、2階の床に遮られることなく、2階の窓から入った光が、
一階の奥深くまで届くのです。
これで、明るい1階のリビングを実現したわけです。
その他の写真は、近日公開!
お楽しみに。
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